『美しき緑の星』(原題 La Belle Verte)は、1996年公開のフランス映画で、コリーヌ・セローが監督・脚本を手がけ、自ら主演も務めたSFコメディです。自然と調和して暮らす“美しき緑の星”から、主人公ミラが地球へやって来るという設定を通して、私たちが当たり前と思っている社会のしくみや価値観を、やさしく、そして少しユーモラスに見つめ直させてくれる作品です。
物語の魅力は、壮大なSFというよりも、“外側の視点”から今の地球文明を見つめる寓話性にあります。便利さや効率、消費や競争に囲まれた日常を、まるで別の星の住人の目で見直していくことで、「本当の豊かさとは何か」「人が自然に生きるとはどういうことか」を静かに問いかけてきます。
どこか不思議で、やわらかく、時に痛烈。でも全体にはあたたかさがあり、観終わったあとに「この世界の見え方が少し変わる」ような余韻を残す一本です。映画をきっかけに、社会のこと、暮らしのこと、人と人とのつながりについて語り合いたくなる、そんな作品です。