TOHO NEXTから招待いただき、Mrs. GREEN APPLEのドキュメンタリー映画「MGA MAGICAL 10 YEARS DOCUMENTARY FILM ~THE ORIGIN~」を先日試写で拝見しました。
特に印象的だったのは、21分間にも及ぶ大森さんの作曲シーン。また、大森さんが若井さんと藤澤さんに「肩の力を抜くと気を抜くの違いって何だと思う?」と尋ねるシーンも大変痺れました。
全体を通じて「そうだよね」という納得感がありました。約10年間彼らを取材してきた身として、私が理解していたMrs. GREEN APPLEというバンドの本質と、映画で映されているものが一致していたという感覚です。
曲調がどれだけ幅広くなり、彼らの表現が音楽以外の要素も込みの総合エンタメとして進化しても、私はずっとミセスを「バンド」と評してきました。バンドとはイデアのようなものだと思います。同じ目的を持った複数人が集まり、体現されるバンド像は、どのメンバーの実体とも異なる。Mrs. GREEN APPLEは大森元貴でも若井滉斗でも藤澤涼架でもない。同時に、この3人が集まり、現在のチームを編成しなければ実現しなかったものであり、ミセスを囲む様々な人たちの要素が少しずつ注がれている。
大森さんは周囲から「選択を絶対に間違えない」と言われるほど優れたブレインですが、いくらブレインが優秀でも稼働できる体がなければ、どんな夢も実現できません。映画では大森さんの並外れたところや、若井さんと藤澤さんがバンドの一部としての献身を、ナチュラルに、尋常じゃない熱量で実践する姿も映されています。
大森さんが2人をある単語で言い表しますが、2人もそのワードにしっくりきているようでした。バンドだからこそ「友達でもある」という関係性に甘えられない瞬間もあれば、バンドだからこそ全てを抱きしめられる瞬間もある。その覚悟の濃さこそがフェーズ2の本質。「Variety」という楽曲に至るまでの軌跡、そして辿り着いた「FJORD」の光景に私はとてもグッときました。フェーズ2の完結として、この着地点は必然であるとも感じました。
3人の関係性は美しいけれど、率直に言えば少々異様でもある。バンドというコミュニティの特殊性――なかでも今や国民的バンドと呼ばれるミセスの特殊性が、ある種の異様さも含めて誠実に映し出されていました。
映画は11月28日公開です。