坂本龍一のRiot in Lagosは、音楽史において実は非常に重要な作品の一つである。
今日では当たり前となった「短いフレーズの反復、ループ」を、シーケンサーによる作曲の中心に据えた先駆的な楽曲として評価されている。
商業的には世界的なヒットには至らなかったものの、ニューヨークをはじめとするクラブDJの間で高く評価され、後にAfrika BambaataaのPlanet Rockへとつながるエレクトロ・ヒップホップの形成にも影響を与えている
ヒップホップが育んできた「グルーヴ」という発想が、テクノにおけるシーケンサー中心の反復的な作曲法と出会うことでより自由な表現へと発展していった。
Riot in Lagosの直接的な系譜としては間違いなくKraftwerkのTrans-Europe Expressである
自身の仮説になるが、実は前年にYMOで発表したComputer Game "Theme From the Circus"も、Riot in Lagosを考える上で重要な作品ではないだろうか。
黎明期のアーケードゲームの電子音や反復する短いフレーズを音楽として積極的に取り入れた作品であり、坂本龍一自身がゲーム文化やコンピュータに強い関心を寄せていたことを踏まえると、Riot in Lagosにおける反復的な構造は、Kraftwerkだけでなく、ゲーム音楽が持つ「終わりのないループ」という発想からも何らかの示唆を受けていた可能性はあるのではないか。
あくまで想像の域を出ないが、コンピュータ文化、ゲーム音楽、テクノという系譜を考えると非常に楽しい推論だと思います。