《私は家に帰らない ー船》リトグラフ
Je ne rentre pas à la maison Ⅳ
💬《船》に添えられた詩には、「海は葡萄酒の色をしていた」という一節があります。
波と風に翻弄され、漂流を続ける旅人。
帰るべき場所を夢見ながら海を渡るその姿は、大月雄二郎作品に通底する「終わりのない旅」の物語を想わせます。
【方舟の動物たちー作家・作品紹介】
大月雄二郎 / Yujiro Otsuki
捨てられたモノや忘れられた事物との出会いから、詩情とエスプリに満ちた物語世界を生み出す大月雄二郎。稲垣足穂の文学に深く影響を受け、版画、コラージュ、オブジェなど多彩な表現を展開してきました。
フランスで長く活動し、カンヌ国際映画祭のポスターも制作。2011年にはフランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章しています。
🎨《私は家に帰らない―豚》
Je ne rentre pas à la maison Ⅵ
連作《私は家に帰らない》の一篇として制作された作品。
後にフランスで刊行された詩画集では、この連作は古代ギリシャ神話の英雄ユリシーズ(オデュッセウス)の旅として読み解かれました。
《豚》に添えられた詩は、旅の途中で魔女キルケの誘惑に出会う場面を想起させます。
「愛と蜜と饗宴の、優しい罠」という一節には、帰還を望みながらも、旅の途中で出会う甘美な誘惑への抗いがたい心が描かれています。
以下、出品作品をご紹介します↓