イギリスの大学はPersonal Statementという志望理由書の提出が必須。実は昨年度から形式が大きく変わり、自由形式のエッセイから3つの問いに答える形式になった。昔の対策本や先輩の例を真似すると、見当違いな対策になってしまうので要注意。新形式のポイントをまとめていくと、
・質問は3つで固定:
①なぜその専攻を学びたいか(Why do you want to study this course or subject?)
②これまでの学習がどのような形で大学での学びの準備となるか(How have your qualifications and studies helped you to prepare for this course or subject?)
③学校外の経験がどう活きていくか(What else have you done to prepare outside of education, and why are these experiences useful?)
・合計4,000文字以内(従来どおり)
・各回答は最低350文字以上が必要
・1つの文章を全出願校で共通利用する点も変わらない
そして一番差がつくのは、3問目で問われる学校外での経験。アメリカの課外活動のように「何をやったか」を並べるのではなく、その経験が大学で専攻を学ぶことにどう繋がるか、なぜその経験に価値があるのかを書く必要がある。活動の数より、専攻との関係性や実績の質で勝負しよう。
形式が変わったことで、質問にきちんと答えているかがこれまで以上に重要になった。エッセイをいきなり書き始める前に、3つの質問それぞれに何を書くか、自分としっかり向き合いながら下書きを準備していこう。
✕ "Through my experience in the student council, I learned the importance of leadership."
(私は生徒会活動を通じて、リーダーシップの大切さを学びました)
◯ "The night before the school festival, I sat in a silent meeting room where no one would raise their hand, still clutching a stack of half-distributed handouts."
(文化祭の前夜、誰も手を挙げない会議室で、私は配りかけのプリントを握ったまま黙っていた)
前者は「学んだこと」を説明しているだけ。後者は小説のような場面から始まり、読み手が心情をいろいろと想像していける。そして想像力豊かに続きのストーリーをもっと読みたくなる。これがCreative Writingの"Show, don't tell"という創作技法の基本。
他にも、エッセイで使われるテクニックには、
・冒頭の数行で場面に引き込む
・時系列ではなく、意味のある瞬間を軸に全体を構成
・五感や具体的な細部の表現で、自分オリジナルの経験として表現
・最後に「出来事」ではなく「自分の変化や考え」「成長」で締める
などがある。
大切なのは、技法で飾ることではなく、自分という人間をアドミッション・オフィサーに「体験してもらう」ような表現を心掛けること。入試担当者は何百もの書類を読み込むので、彼らの記憶に残るようなストーリーを表現する必要がある。
Creative Writingは日本の学校ではほとんど教わらないので、受験を考える人は早め早めに対策と練習を重ねていこう。