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シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
「わかりやすく本格的に」をモットーに、シュトックハウゼン作品の分析と紹介を行います。ご要望などがございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。
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シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
over 1 year ago
・シュトックハウゼン「光」の全幕と全シーン ・シュトックハウゼン「TEXTE zur MUSIK」全巻 ・シュトックハウゼン全集CD全巻(DG,EMI盤含む)
シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
about 1 month ago
長年の友人、もじゃ君からシュトックハウゼン解説やってみない?とお声がけ頂きました。 世界で1番わかりやすい!超本格シュトックハウゼン解説を目指してます! 大傑作MANTRAのミクロな部分から全貌まで、そしてシュトックハウゼン後期様式を感覚的に理解出来るように、とテキストを作ってみました。 その他、シュトックハウゼンの難解な概念を、シュトックハウゼン自身の人生と結びつけてわかりやすく紹介する予定です。 よろしく!
のらクラシック部
@nora_classical
about 1 month ago
日本語資料は抽象的、具体的に語ってくれているものが殆ど無く、シュトックハウゼンに興味があって知りたいという欲はあるのに挫折した人は多いと思います。今回はそんな自分と同じ経験をした人が再挑戦して分かるように、易しく解説していただきます! ゲスト: https://t.co/s39IDFByKr
シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
3 months ago
@mojabassoon
ここは、難しいよねぇ… 自分は純クラシックで育ってきた人間だから、初めて見た時モジュレータってなんじゃ!って思った。 これ、記事としては既に考えてて、ウェブ上でモジュレーション楽しんでもらえる機能とか提供できればなぁとは思ってるのよね。
シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
3 months ago
まさに仰る通りで、群の音楽はポリテンポ的 (実際には音の方向性などもありますが)、空間音楽はベクトル的、という整理は的確だと思います。 ただシュトックハウゼン自身はこれを一般的な「ポリリズム」とは呼ばず、「多重時間性(multitemporality)」という自分の言葉を使っています。 生理学者ヴァイツゼッカーの「時間は生命の関数である」という思想を下敷きに、各音・各群がそれぞれ固有の時間を生きている、という発想です。 そして本人はこの2つを一文でつないでいます 「時間のポリフォニーが、空間のポリフォニーと一致する」 群の音楽と空間音楽は、結局この一文に集約されるのかもしれません。
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マルセル・スワン@11.8文学フリマ東京43 【U98】
@msvvann
3 months ago
@kst_blog
大変多くの情報助かります🙏 そうなると「群の音楽」というのは一種のポリリズム、ポリテンポ的な側面が強いのですね、、、 そうなると「群の音楽」は (その名の通り)音のグループ、集合、集まり的な側面がやはり強く、「空間音楽」は音の動きや流れ?軌跡のようなベクター的な要素が強いのですね
シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
3 months ago
まさに仰る通りで、群の音楽はポリテンポ的、空間音楽はベクトル的、という整理は的確だと思います。 ただシュトックハウゼン自身はこれを一般的な「ポリリズム」とは呼ばず、「多重時間性(multitemporality)」という自分の言葉を使っています。 生理学者ヴァイツゼッカーの「時間は生命の関数である」という思想を下敷きに、各音・各群がそれぞれ固有の時間を生きている、という発想です。 そして本人はこの2つを一文でつないでいます 「時間のポリフォニーが、空間のポリフォニーと一致する」 群の音楽と空間音楽は、結局この一文に集約されるのかもしれません。
シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
3 months ago
スワンさん、ご質問ありがとうございます! 曖昧にされがちな非常に重要なトピックなので、せっかくですので長文でガッツリ回答させていただきますね。 【空間音楽と群の音楽の違いについて】 結論から言いますと、群の音楽と空間音楽は別々のパラメータ軸となります。 ・空間音楽は、音の方向、運動そのものを作曲パラメータとして扱う軸。 ・群の音楽は、複数の音の群、異なるテンポなどを作曲パラメータとして扱う軸。 (前提) 昨日リプライやポストの内容の通り、空間音楽は「点描音楽が複数声部の同時進行に耐えられなくなった」ことへの答えとして、音の方向・運動そのものを作曲パラメータに組み込んだものでした。 ヴェネツィア楽派の分割合唱やワーグナー、シェーンベルクなど、空間配置自体は数百年前からありましたが、いずれも物語や象徴のための演出です。 シュトックハウゼンが変えたのは、空間を何かの演出としてではなく、音楽そのものの構造原理として使った点です(グルッペンの3つのオーケストラが好例でしたね)。 1. 群の音楽と空間音楽は別々のパラメータ軸である 空間音楽は、群の音楽(複数の群が異なるテンポで同時進行する技法)と偶然の一致ではなく因果的に結びついています。 昨日のリプライの複数テンポの層を聴き分けさせる唯一の方法が空間的な分離だったという部分ですね。 乱暴に言えば、群の音楽は「音のまとまり方・時間の重なり方」の問題で、空間音楽は「音の場所・方向・動き」の問題、ということになります。 「どちらも空間のセリー化という意味で共通した点が多い」というご質問の内容について、より正確には「セリー(音列)的な時間の多層化が、聴取可能になるための手段として空間音楽を要求した」という関係になります。 面白いのが、グルッペンと少年の歌は、同じ1955年に並行して作曲が始まっています。 空間音楽は電子音楽側で先に概念化され、後から器楽に応用されたのではないということです。 大阪万博での演奏についてですが、 空間制御について本人はこう語っています 「響きは私が望む通りに動いた……自分が興味深く美しいと思うように音楽家たちを空間内で動かすことを躊躇しなかった」 皮肉なことに、これは固定されたセリーではなく、ライブでの直感的な操作だったことを本人が認めている発言です。 演奏されたのは直観音楽がかなりの数を占めていたとはいえ、 ご質問で参照点とされた大阪万博の実践こそが、実は「空間のセリー化」からもっとも遠い、即興的な実践だったことになります。(ミヒャエリオンで即興で空間移動を行った例外もありますが…) 2. 「セリーの空間化がEXPO70以来実現できていないのか?」との質問について 「空間そのものが音高やリズムと同じように厳密な数列として構造化されているか」という問いについてですが、 ここは狭義と広義を分けて考えると分かりやすいと思います。 狭い意味では、カレのように音源の位置や移動、通過する場所の数、空間の形をはっきりした系列として扱っている例があり、 ここは文字通り「空間をセリー化している」と言いやすいところです。 一方、フォルメル技法以降、特に光になると様子が変わります。 決まった数の空間位置が音列のように反復されるという意味ではなく、フォルメルの区切り・登場人物の性格・楽器・声・照明・演奏者の移動・スピーカー配置が互いに対応づけられていく、 もっと広い意味での「セリー的な考え方」になっていきます。 これは、シュトックハウゼン自身が「空間」という概念そのものをどんどん拡張していった結果だと考えると分かりやすいです。 単なる音の物理的な位置だけでなく、身体の動き・象徴的な方角・物語の構造まで、「空間」として扱う対象自体が広がっていった、ということです。 INORIでは音高・音色・音量を祈りの身振りという物理的な動きに置き換え、空間という概念を演奏者の身体にまで拡張しました。 シリウスでは4人の奏者が実際に四方位に配置され、それぞれが担当する方角から旋律が聞こえてくる構成になっています。 TIERKREIS由来の天球・宇宙の見立てが、そのまま奏者の物理的な配置に落とし込まれている例です。 3. 光サイクルではどうか みんな大好き光サイクルでもこの拡張の仕方を見てみましょう。 全体を統べる「ズーパーフォルメル」、ミヒャエル・エーファ・ルツィファーという3人の登場人物それぞれに割り当てられた旋律には、 「運動方向」という、各人物を特徴づける旋律の輪郭(ミヒャエルは天から下降、ルツィファーは反抗して沈む、エーファは波打つ)があります。 これが空間移動のセリー化の証拠だと主張する読み方もあるのですが、実際にはこの「運動方向」は楽曲の大規模な形式・ドラマトゥルギー構造への投影として語られており、必ずしも物理的な舞台座標やスピーカー配置への変換だとは書かれていません。 光の音楽すべてを「ズーパーフォルメルから機械的に導かれた空間の数列」とまで言うと、さすがに無理があり、 フォルメル・人物・舞台・身体の動きを結びつける「空間的な投影」くらいに捉えておくのが正確なところでしょう。 では、結局のところほとんど空間とフォルメルを結びつけることは出来なかったのか?という点については、考える余地があります。 火曜日では、ミヒャエル軍とルツィファー軍が客席の中を練り歩きながら対峙し、譜面には墜落する飛行機の下降グリッサンドや「音響爆弾」「音響手榴弾」といった戦争のイメージが指示として書き込まれています。 木曜日の別れの5人のトランペットも、単に「高いところから聞こえて神秘的」という演出ではなく、ミヒャエル・フォルメルの5つの部分そのものが空間配置として現れている例です。 同じ木曜日の第2幕、ミヒャエルの地球一周旅行でも、1978年の作曲スケッチに「突然フォルテ……ホールは暗くなり……エーファの旋律が空間をゆっくり動く」という書き込みがそのまま残っていて、音楽の移行を実際に音が空間を移動するものとして最初から構想していたことがわかります。 日曜日の光・水でも、奏者の配置・歌手の移動・照明・音の受け渡しがフォルメルと結びつき、旋律が奏者から奏者へ渡っていくことで聴衆の周りを動いていくような効果が作られています。 さらに、ズーパーフォルメルにてエーファの旋律が7度(オクターブ経由)で下行する箇所について、本人ははっきりとこう述べています 「これは、ルツィファーがエーファを激しく誘惑したため、彼女が間一髪で決定的に堕落するところだったという有名な物語の象徴」 これは後の光の金曜日「誘惑の日」の劇を予告しているということです。 さらに別の箇所では、「エーファはミヒャエルやルツィファーほど高い存在ではない」という霊的な地位の高低が、そのまま旋律の音域の高低として構想されているとも語っています。 つまり、シュトックハウゼン自身の記号系においては、音の高さ・落下と、物語的・霊的な高さ・落下は、比喩でつながれた2つの別領域なのではなく、最初から同じ空間的な語彙で構想されているのです。 この意味で「音程を空間的に捉えている」というのは、単なる深読みではなく、本人が明言している通りだと思います。 ですから、後年の空間音楽、特に光について、正確に言うべきことはこうなります。 ①音程関係とドラマトゥルギーを同じ空間的語彙で構想すること、これは光の根本設計として確認できます。 ②その象徴的な統一を、さらに舞台上の物理座標やスピーカー配置の具体的な数列にまで機械的に変換したかどうか——これはまだ僕自身、把握できていません。 ・まとめ 群の音楽と空間音楽は、「形成の時間的粒度を扱う軸」と「方向・運動を扱う軸」という別々の軸です。 ただしこの2軸は、群による同時多層のテンポ構造を聴き分け可能にするという一点で、始まりから因果的に結びついていました。 そしてその出発点(グルッペン・少年の歌)は、器楽と電子の両方で、1955年という同じ年に並行して据えられています。 大阪万博の球形ホールでの演奏のあと、フォルメル技法はMANTRAを経てINORIでは音高・音色・音量を祈りの身振りという物理的な動きに置き換え、空間という概念を演奏者の身体にまで拡張しました。 そして光では、少なくとも音高と物語・霊性の次元において、「空間」はシュトックハウゼンの根本的な思考の語彙そのものです。 これが物理的な舞台・音響空間の厳密な数列にまで及んでいたかどうかは、まだ確定的な証拠を持ち合わせていない、というのが現時点で誠実に言える答えです。 最後にひとつ。光での空間の使われ方は、ワーグナー的な「物語のための演出」への先祖返りのようにも見えます。 しかし本質は違うはずで、ワーグナーの指環がひとつの和音(変ホ長調)から有機的に育つ、という統一性の議論は、後世の批評家が事後的に見出した解釈であって、本人が使った作曲手順ではありません。 一方フォルメル技法は、本人が実際に使った手順そのもの「あらかじめ規則を決め、そこから全曲を導出する」です。 似ているのは結果であって、そこに至る手続きの性質はまったく違う。 空間という概念をひたすら音楽の内側からたどった結果、フォルメルを通じて同じような場所にたどり着いた、ということだと思います。
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マルセル・スワン@11.8文学フリマ東京43 【U98】
@msvvann
3 months ago
@kst_blog
先日は空間音楽について詳しくお教えいただきありがとうございました。 重ねてすいません。もう1点知識をお借りしたいことがありまして、空間音楽と群の音楽ってどのように違うのでしょうか。 どちらも空間のセリー化という意味で共通した点が多いと思うのですが…。
シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
3 months ago
今回スワンさんから頂いた質問について返信考えてたら、熱中しすぎて徹夜でブログ1本分くらいの文字数を書いてしまった…。重たくてすみません… でもこの辺りの詳細な言語化はしておきたかったというのもあるので、良かったということにしよう! ということで、昼休憩、ご飯食べてくる
シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
3 months ago
シュトックハウゼンの空間音楽には性質の違う2つの要素が混ざっていて、そこを分けて考えると急にわかりやすくなります。 ① なぜ「空間」が必要になったか 1950年代のシュトックハウゼンは「点描音楽」を突き詰めていました。ところがこれを複数の声部で同時に鳴らすと、情報量が多すぎて耳が追いつかなくなる。「時間の流れの中だけ」で全部の声部を聞き分けさせるのは限界がある、という壁にぶつかったわけです。 そこで彼が出した答えが「空間を、音の並べ方のもう一つの軸として使う」でした。音高やリズムを組み立てるのと同じ真剣さで、「この音はどこから鳴るか」「どう動くか」も作曲する対象にした、ということです。 ② 配置と運動 グルッペン は3つのオーケストラに分けて置きました。同時に複数の声部を、別々の場所から鳴らすことで「別の層だ」と耳で区別できるように、という発想です。置き場所そのものが情報を運んでいます。これがマルセル・スワンさんの言う「軌跡を列として捉える」に近い方です ただ、この発想自体はシュトックハウゼンがゼロから思いついたものではありません。16世紀のヴェネツィアでは、サン・マルコ大聖堂の向かい合う2つのオルガンを利用して合唱隊を左右に分け、交互に歌わせる「分割合唱」という技法がすでにありました。 19世紀にはワーグナーがパルジファルの聖杯の場面で、声の高さ、地下や舞台、天井に霊的な位階を対応させています。20世紀に入るとシェーンベルクがヤコブの梯子で、ホールの離れた場所に4つの「遠隔オーケストラ」を配置する構想を練りますが、これは徴兵で中断し未完のまま終わりました。 つまり「音を離れた場所から鳴らす」というアイデア自体は、数百年前から作曲家たちの頭にあったのです。ただし、これまでの使われ方には共通点がありました。空間配置は常に「何かを象徴するための演出」だった、ということです。 ワーグナーの声の高さは霊的な階層を表し、ベートーヴェンの合図のトランペットは誰かの到着を予告する。空間はいつも「音楽の外にある物語」に仕えていました。 シュトックハウゼンが変えたのは、まさにここです。 点描音楽が抱えていた「情報過多で耳が追いつかない」という壁にぶつかったとき、彼は数百年前からあったこの「空間配置」を掘り起こし、しかし今度は何かを象徴するためではなく、音楽そのものの構造原理として使いました。 つまり、グルッペンの3つのオーケストラは何かを表現しているのではなく、それ自体が「音楽の形」そのものとして表現されているのです。
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シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
3 months ago
前々よりお話ししている、INORI対訳はもうちょっとで完成です… めちゃくちゃ遅くなっててすみません… 大量の画像編集などに時間がかかっており… 近々公開しますのでもう少々お待ちください!
シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
3 months ago
この長い文章を投稿するためだけにブルーバッチをつけてしまった…笑 近々外す。
シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
3 months ago
この空間音楽という概念について>RT
kst_blog
retweeted
松平敬
@takashi531
3 months ago
@msvvann
単に空間移動をセリー的に捉えるだけではなく、空間そのものを音楽の本質的な要素として考えるコンセプト全体を含意しています。
kst_blog
retweeted
マルセル・スワン@11.8文学フリマ東京43 【U98】
@msvvann
3 months ago
@takashi531
突然のメンション失礼いたします。 シュトックハウゼンの空間音楽について上のような理解で合ってますでしょうか、、、
kst_blog
retweeted
マルセル・スワン@11.8文学フリマ東京43 【U98】
@msvvann
3 months ago
シュトックハウゼンが70年代に提唱していた空間音楽 (Raum musik)について色々調べてるんだけどなかなか難解な説明が多くて難しい、、、 要するに空間の中に配置されたスピーカーや楽器を通じて音列が時間経過で空間を移動するその軌跡を列として捉える…ってことなのでしょうか。
シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
3 months ago
@msvvann
@takashi531
グルッペンの3つのオーケストラは何かを表現しているのではなく、それ自体が「音楽の形」そのものとして表現されています。 と、大変長くなり大変失礼いたしました! 何かしら、空間音楽を考えるうえで参考になったならば大変幸いです!
シュトックハウゼン研究ブログ
@kst_blog
3 months ago
@msvvann
@takashi531
点描音楽が抱えていた「情報過多で耳が追いつかない」という壁にぶつかったとき、彼は数百年前からあったこの「空間配置」を掘り起こし、しかし今度は何かを象徴するためではなく、音楽そのものの構造原理として使いました。
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