ウクライナ戦争の本当の引き金は「約束違反」だった——元米高官が語るNATO拡大の欺瞞
私は退役した軍人として、冷戦終結後の米国の対ロシア政策を間近で見てきた。その経験から断言できることがある。現在のウクライナ戦争は、ロシアの侵略ではなく、我々自身が1990年代から積み重ねてきた 欺瞞の結果だということだ。
��クトリア・ヌーランドやカーガン夫妻ら新保守主義者たちは、自分たちが何をしているか完全に理解していた。彼らの目的は、ウクライナを犠牲の台座に乗せ、ロシアを打倒することだった。ビル・クリントンが大統領に就任した瞬間から、NATO拡大は始まったのである。
ジョージ・H・W・��ッシュ政権時代、我々はゴルバチョフに対して明確な約束をしていた。NATOは東方へ一インチも拡大しない。その代わりに、ロシアを含む新しい欧州安全保障構造を構築する。それが三本柱からなる構想だった。欧州独自の安全保障機構の創設、ロシアの政治機構への参加、そして新たな安全保障アーキテクチャの構築である。
しかしクリントンは全てを覆した。彼はアメリカを略奪的企業利益に明け渡し、その利益のために兵器産業が売上を伸ばせるよう、NATOを拡大したのである。CIAが前面に立ち、欧州の議員や新聞、学校制度までも買収してNATO加盟を進めた。ロシアを敵として再設定する道を選んだのだ。
この戦争は必然だった。ロシアに選択肢がなくなったからではない。我々が約束を破り続け、彼らを追い詰めたからである。オバマ大統領は「���クライナをNATOに加盟させるのは世界で最も愚かなことだ」と発言したにもかかわらず、行動を起こさなかった。ジョー・バイデンは違った。彼は心から戦争を望んでいた。
ドイツのメルケル元首相は、ミンスク合意がウクライナの再軍備のための時間稼ぎに過ぎなかったことを自ら認めた。ノルドストリーム破壊も、ドイツ政府は黙認した。欧州はロシアへの憎悪だけを結束の糊として、瀕死の同盟にしがみついている。
しかし、NATOもEUもすでに死んでいる。彼らは死体にしがみついているに過ぎないのだ。世界はもっと速く動いている。上海協力機構やBRICS、一帯一路を軸にした新たな経済圏が形成されつつある。日本や韓国、インドネシア、ベトナムまでもが、その会合に参加している。欧州の指導者たちが「ロシア外相を集合写真から外した」などと外交的勝利を語っている間に、世界の3分��2は新しい通貨制度や決済網を議論している。
私はこの変動を「多節点的世界」と呼んでいる。米国が支配する一極構造ではなく、無数の節点が互いに結びつきながら力を蓄える世界だ。中国は殺戮や制裁を続ける帝国的発想を拒否し、より包摂的な発展モデルを提示している。その差は歴然としている。
前提は、すでに崩壊した。「西側が築いた国際秩序は普遍的で永続的だ」という信仰そのものが、もはや成り立たないのだ。
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Lawrence Wilkerson(退役大佐、元米国務長官首席補佐官)、Glenn Diesen(政治学者)
対談『NATO & the EU are Dead - A New World Emerges』(NATOとEUは死んだ——新世界の出現)
核をめぐる選択肢が実際に検討されている戦争
2026年3月、私は国家テロ対策センター長官を辞任した。イラン戦争に反対したからだ。あれから半年、戦況は出口の見えないまま悪化し続けている。いま最も危険なのは、アメリカが自らの意思で核の敷居をまたごうとしていることだ。
ワシントンはイランの全面降伏か体制崩壊を求めるが、通常戦力では到底そこに届かない。相手が予測不能な報復に打って出る前に、ピックアクス山を核で破壊すれば「最終的勝利」を宣言できる。そう考える者が国防総省内部にいて���不思議ではない。これは推測ではなく、軍事オプションの延長線上にある現実的な選択肢だ。
さらに問題なのは、イスラエルが独自に動く可能性を誰も排除できないことだ。彼らは既に「アメリカの制約は受けない」と公言している。トランプ政権が核を使えないなら「我々がやるから見逃せ」と迫る展開は、十分にあり得る。ガザでできなかったことを、国境を隔てたイランでは躊躇しないかもしれない。
だが、そうした発想は戦争を終わらせない。むしろ核の先制使用を世界の常識にしてしまう。プーチンがウクライナで同じ手段を選ぶ口実を与えるだけだ。私たちは戦術的に考えすぎている。戦争をどう終わらせるかではなく、どう「勝った」ことにして幕を引くかしか見えていない。
そもそもアメリカは何を達成したいのか。政権は「イラ��の壊滅」を叫ぶ一方で、海峡の再開だけを求める日もある。6月には一時的な停戦合意が結ばれた。��が、その直後にレバノンでの裏取引が動き、合意は形骸化した。外交に真剣でない証拠だ。
出口が見えない理由のひとつは、イスラエル国内の政治圧力にある。アメリカ国内のロビー活動が政権の判断を縛り、和平合意を骨抜きにした。トランプ氏は本来、中東から手を引くと言っていた人物だ。その彼がなぜ戦争を拡大させているのか。ここに根本的な矛盾がある。
転換点はチャーリー・カークの暗殺だった。彼は大統領に直接意見を届けられる数少ない存在で、イラン戦争に明確に反対していた。殺害直後から犯行を予告する投稿や複数の実行犯の存在が取り沙汰された。だが捜査は一ヶ月半で閉じられ、私は反対を押し切られた。握りつぶされたのではないか、という疑いが消えない。
イラン側の視点に立ってみよう。相手に攻撃のタイミングを握られたまま、ただ受け身の報復を続ければ、いずれ自分たちの���止力は崩壊する。革命防衛隊が「もう一段の攻撃」を選ぶ合理性は十分にある。私たちは彼らが前回と同じように反応することを前提にしているが、それは希望的観測でしかない。
同じ構造がロシア戦線にもある。ウクライナ支援を続け、ロシア領内への攻撃を支えるアメリカを、ロシアがどこまでも黙認するはずがない。NATO拡大の歴史を考えれば、この戦争はロシアにとって生存をかけた闘いだ。プーチンは国内の強硬派からも突き上げられている。核使用のハードルが下がっているのはイラン戦線だけの話ではない。
私は現在、世界大戦の初期段階にいると考えている。
中東戦争、NATOとロシアの戦争、中国との貿易戦争。これらは別々の出来事ではなく、同じ危機の異なる断面だ。まだ手を打てる余地は残っている。だが、その窓は毎日狭くなっている。
私が大統領に戻るなら、まず中東の前哨基地から全軍を撤収させる。イランに「運の良い一発」を撃たせる理由を消すためだ。その上で静かな外交を始める。イランにも制裁解除や資産凍結解除という現実的な利益を示せば、海峡を開かせる余地はある。そしてイスラエルには、アメリカの戦争を壊す行動を取れば軍事的支援を打ち切ると明確に伝える。それができない限り、彼らはまた私たちを戦火に引きずり込む。
ウクライナでも同じだ。支援をやめ、ゼレンスキー政権に交渉のテーブルへ着くよう圧力をかける。イスタンブール合意は、かつてロシアが驚くほど譲歩した内容だった。あれを英国の仲介で潰したのは西側だ。もう一度あの枠組みを真剣に検討する価値はある。
結局のところ、問われているのはアメリカが帝国の重荷を降ろせるかどうかだ。それができない限り、核の先制使用という最悪の選択肢が、いつ現実のものになってもおかしくない。
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Joe Kent(元国家テロ対策センター長官)、Glenn Diesen(司会・政治学者)
対談『Joe Kent: Escalation Against Iran & Russia — We Have Entered the Early Stages of World War III』(ジョー・ケント:イランとロシアに対する緊張の高まり――我々は第三次世界大戦の初期段階に入った)
ウイルス遺伝子の正体は「放射性の染み」
新型コロナウイルスの遺伝情報は、誰も直接見たことがない。この一文は誇張ではない。コロナウイルスの遺伝子配列が「決定された」とされる現場で研究者たちが実際に目にしていたのは、放射性物質が感光フィルムに残した黒い染みのパターンにすぎなかった。
その染みから、いかにして「遺伝子配列」が生まれたのか。遡っていくと、現代のパンデミック対応を支える情報基盤の土台が、極めて脆弱な推論の上に築かれていることが見えてくる。
1977年、DNA解析の基礎を築いたマクサムとギルバートは、自らの手法をこう説明している。「DNAの配列は放射性バンドのパターンから読み取ることができる」。注目すべきは「読み取る」という表現だ。彼らが見ていたのは配列そのものではなく、実験者が自ら加えた放射性標識が作り出した痕跡だった。その痕跡は「私はグアニンです」「私は37番目の塩基です」とは語らない。
ひとつの黒い染みが「37番目のG」になるまでには、途方もない推論の連鎖が必要だ。放射性標識が狙った分子に結合したこと、化学反応が想定通り特定の塩基で切断したこと、電気泳動で分離された断片の移動距離が分子の長さに対応すること、そして断片が共通の端点を持つ一連のファミリーを��成していること。これらすべてが正しいと仮定して初めて、染みの位置は「塩基配列の���標」に変換される。
染みは「コロナウイルス由来」とも語らない。実験に使われた材料が本当にウイルスのRNAから作られたのか、そのcDNAが忠実に元の配列を反映しているのか。ここにも別の推論の階層が重なる。1984年に発表された鳥コロナウイルスの論文は「1,224塩基の配列」を提示したが、その数字の背後にある推論の厚みは、論文の読者には見えない。見えるのは完成された文字列だけだ。
そしてここからが決定的な転換点となる。一度「確立された配列」が存在すると、その配列が次の実験の前提として使われる。1985年の論文では、前年の配列情報に基づいて設計された短いDNA断片を使って、次の遺伝子がクローニングされた。結論だったものが、次の推論の出発点になる。配列が配列を生み、その配列がさらに次の配列の土台となる。
これが自己参照の閉ループだ。最初は実験の痕跡から推論された文字列にすぎなかったものが、「確立された情報」に変わり、その情報が実験の設計を方向づけ、新たな実験結果を生み、さらに大きな配列へと組み上げられていく。1987年には鳥コロナウイルスの全ゲノムが「完成��したと報告されたが、それは17個の断片をつなぎ合わせたものであり、個々の断片の解釈はすべて最初の推論の連鎖に依存している。
ここで、ひとつの問いを立てたい。この系の外側に、独立した検証の場は存在したのか、と。
ある配列が既存の配列と似ていることは、配列空間の内部でしか意味を持たない。PCR検査が検出するのは、過去の配列情報から設計された標的配列だ。新しいゲノムが既存のコロナウイルスと「近縁」だと判定されることも、すべて配列空間の内部関係にすぎない。系の外に出て、物理的な実体と突き合わせる検証は、どこにも行われていない。
パンデミック期には、この配列システムが現実世界の決定を左右した。PCRの陽性判定、変異株の定義、系統分類、ゲノム監視。これらはすべて、数十年前に放射性の染みから推論���れた文字列を出発点とする情報体系の上で動いていた。WHOの報告枠組みでは、検査室での確定診断があれば症状の証拠がなくても感染とみなされる。推論の積み重ねが、現実世界の感染の定義になったのだ。
���局のところ、私たちが「コロナウイルスの遺伝子」と呼んでいるものの根拠を突き詰めると、行き着く先は実験者が自ら加えた放射性物質の痕跡である。痕跡は実在した。しかし、その痕跡に宿るとされた広大な遺伝的現実は、すべて推論の産物だった。
閉ループはそこから始まり、いまだに閉じたままだ。
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記事
Jon Fleetwood(独立ジャーナリスト)
『The Self-Referencing Closed Loop of Coronavirus Genetics Began With Assumptions About Marks From Radioactive Material Scientists Themselves Added』(コロナウイルス遺伝学の自己参照的閉ループは、科学者自身が加えた放射性物質の痕跡についての仮定から始まった)2026年9月2日
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