国家サイバーセキュリティ戦略本部・金融調査会の合同会議を開催し、高度自律型AI時代に対応したサイバーセキュリティ対策の抜本的強化について議論しました。AnthropicおよびOpenAIからは、急速に進化するAIがもたらす新たなリスクの実態についてヒアリングを実施。特に、
攻撃の自動化・高速化(AIによるサイバー攻撃のスケール化)、ディープフェイクやなりすましによる信頼基盤の毀損、脆弱性探索や攻撃コード生成の高度化、AIエージェントの普及による“機械対機械”の攻撃・防御の新局面といった、従来の延長では対応しきれない構造的な変化が明らかになりました。これを踏まえ、サイバーセキュリティは単なる技術課題ではなく、「AIを前提とした統治とインフラ設計の問題」であるとの認識を共有しました。今後は、AIを活用した防御(AI for Security)の本格実装、AIそのものを守る仕組み(Security for AI)の確立、設計段階から安全性と信頼性を組み込む(Secure by Design)の徹底という三層構造での対策を加速させる必要があります。とりわけ金融分野においては、決済・認証・データ連携などの基盤機能が高度にデジタル化されており、一度のインシデントがシステミックリスクへと波及する可能性があります。国家安全保障および経済安全保障の観点からも、官民連携による実践的な防御体制の構築が不可欠です。金融分野をはじめ、国民生活や経済活動の基盤を守り抜くため、「責任あるアジャイルガバナンス」のもと、先手先手で制度・技術・運用の三位一体の備えを進めてまいります。
#平井卓也