個人的に、ぼくはそのトップの考え方は好みではないですね。
due process of law――適正手続きの原則という言葉があります。まあ、もともとは法律の世界の言葉ですが、ぼくはこの考え方がとても好きなのです。
正しさには、動機、方法、結果という三つの方向性があります。本人の「行きたい」という願いをかなえたい。その動機は正しい。実際に外出できて喜んでもらえた。その結果も正しい。
しかし、だからといって、そこへ至る方法まで何でもよいわけではありません。
ぼくたちは介護保険や医療保険という公的なお金をいただいて仕事をしています。そこには、けっこう大きな責任があると思うのです。その責任のひとつが、適正な手続きを踏むことです。
「制度に拘っていたら何もできない」「記録にうまいこと書けばいい」という言葉には、制度へのリスペクトがありません。それでは、臨床上の工夫ではなく、単に「うまくやれ」という、現場にとって非常にしんどい命令になってしまいます。
例えば、介護保険で訪問リハとして対応できるか判断が難しい外出であれば、まず関連する法令、通知、Q&A、自治体の解釈を徹底的に洗い出します。どのような目的や計画であれば適用できるのか、ほかの制度やサービスとの組み合わせはないのかを考えるのです。
まあ、ぼくが調べるのではなく、優秀なスタッフがやるんですけどね(´・ω・`)
そして、本人が望む場所へ行くことが、生活機能や社会参加にどのような意味を持つのか。それを訪問リハとしてきちんと説明できるだけの臨床観も必要です。
制度上できないことを「できない」と伝えるのは、悪ではありません。むしろ、根拠もなく記録の表現だけを取り繕うほうが問題です。
本人の願いを大切にすることと、適正な手続きを守ることは、本来、対立するものではありません。その両方を成立させる道を探すのが、専門職と組織の仕事なのです。