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須賀法律事務所
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交渉社会の実現|刑事弁護|犯罪被害者支援|医療|一般民事|弁護士 須賀翔紀(東京弁護士会)| 相談はこちら→
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須賀法律事務所
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6 days ago
note始めました。 不同意性交罪の起訴率は「約3割」。“訴えられた=有罪”ではない──不起訴を勝ち取るために、今できること【弁護士解説】|須賀法律事務所
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https://t.co/tNHp6FuV2K
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about 6 hours ago
交渉が強い人を見ていると度胸があるのだろうとか話術が巧みなんだろうとか思われがちだ。切り返しが速く、言葉に詰まらない。 だが実際にテーブルで効いているのは、そこじゃない。「この条件を蹴っても自分は困らない」という確信を持っているかどうか。それだけで座り方から声色まで変わる。 交渉理論ではこれをBATNAと呼ぶ。合意できなかったときに自分が取れる一番マシな選択肢のことだ。 転職の給与交渉なら「他社の内定」がそれにあたる。取引先との条件交渉なら「別の仕入れ先の見積もり」、示談なら「不成立でも公判で戦える見込み」がそれにあたる。 この裏の選択肢が強いほど目の前の相手に無理を通される理由がなくなる。降りるという札を常に手元に握っていられるからだ。逆に、ここが空っぽの人はどれだけ話術を磨いても足元を見られる。「この条件しかない」という顔をした瞬間、相手はそれを読む。人は言葉より追い詰められている気配のほうを敏感に嗅ぎ取るからだ。焦りは、返答の速さや譲るときの早さに現れる。「まあ、そこは」と簡単に折れた一回で余裕のなさは伝わってしまう。気をつけていたとしても隠しきれるものではない。 具体的に考えてみよう。同じ商品を売る二人の営業がいる。片方は「この客に断られたら今月の数字が届かない」と思っている。もう片方は「断られても他に三件見込みがある」と思っている。話す言葉が同じでも、値引きを迫られたときの粘りがまるで違う。前者はずるずる下げ、後者は「では今回は縁がなかったということで」と引ける。この引ける強さが結局は条件を守る。 準備の大半は話す内容を考えることじゃない。決裂したときに自分はどう動くか、その次善策をどこまで具体的に持てるか。ここに時間を割く。しかも相手のBATNAも同時に読む。相手は本当にこの合意を必要としているのか、それとも代わりがいくらでもあるのか。両者の裏の選択肢を並べたとき、力関係はほぼ見えてしまう。相手の代替案が乏しいと分かれば、こちらは強く出られる。 交渉のうまい人が落ち着いて見えるのは、性格が図太いからじゃない。降りても大丈夫な足場を事前に用意しているからだ。度胸ではなく設計を徹底している。ここを取り違えると、「気の強い人が勝つ」という誤解からいつまでも抜けられない。 まず紙に書き出すのはこちらの主張じゃない。決裂したら自分は何をするか。それに答えられないうちはまだ交渉のテーブルに着いていない。
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about 7 hours ago
【現職検事が「裁かれる側」に。取調べの闇について、弁護士として書きます】 東京地検特捜部の検事が取調べでの怒声をめぐって刑事被告人になる。 特別公務員暴行陵虐罪。大阪地検でも別の検事が同じ罪に問われ、10日には初公判が開かれる。異例も異例だろう。 (出典:日本経済新聞 https://t.co/33Ptr1LjhE) 何が異例か? 付審判が通ったことです。 社長側はまず検事を刑事告訴した。ところが不起訴になった。身内を裁くかどうかを身内である検察が判断する。ここで普通は終わります。 終わらせなかったのがこの「付審判請求」です。 これは公務員の職権乱用などを対象にした特別な手続きで、裁判所が「これは裁くべきだ」と認めれば、検察の判断を飛び越えて起訴と同じ効果が生まれる。現職検事にこれが認められるのは、まず見ないことです。裁判所が検察に対して「あなたたちの不起訴は間違っている」と正面から言った、という意味でもあります。 大阪の件では被告人の無罪がすでに確定していた。「検察なめんなよ」と机をたたく取調べがあった。そうして無理やり引き出した供述をもとに起訴された被告人がいた。しかし裁判で無罪になった。 取調べで人を追い詰めた先に、冤罪という結果が現れた。 「口が悪い検事がいた」という単純な話ではありません。人ひとりの人生を壊しかけた刑事手続の構造問題です。 「黙秘を人のせいにするな」という言葉にも触れておきます。黙秘は憲法が保障した権利です。使ったことを責められる筋合いは、本来ありません。ところが取調べの現場では、黙ること自体が「反省していない」「隠している」と扱われがちです。ここが崩れると、取調べは静かに変質します。事実を聞く場から、屈服させる場へ。怒鳴る側にその自覚がないなら、なおさら根は深い。 皮肉なのは、これらがすべて録音・録画された部屋で起きたことです。可視化が機能しなかったのではありません。逆です。可視化があったからこそ、密室で消えていたはずのやり取りが、ようやく表に出た。裏を返せば、録音・録画されていない取調べで何が起きているかは、誰にも検証できないということでもあります。だとすれば答えは一つ。可視化の対象を、全事件に広げるしかない。 私たち弁護人は、取調べの後で「そんなことは言っていない」「無理やり署名させられた」という相談を、何度も受けてきました。映像が残っていれば争えます。残っていなければ、水掛け論で終わる。今回表に出たのは、たまたま記録が残っていた分だけ。氷山の一角ではないか、という疑いは正直拭えません。 もしあなたやご家族が取調べを受けることになったら。黙る権利は誰にでもあります。怒鳴られても、それは変わりません。話し始める前に弁護士を呼べます。最初の一手がその後のすべてを左右します。
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須賀法律事務所
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about 15 hours ago
【4.6万人ぶんのアカウントを勝手に退会させた15歳が逮捕されました】 生成AIで作ったプログラムを使った、という点が話題です。ただ弁護士として引っかかるのは、むしろ「なぜこの罪名で逮捕されたのか」ということ。少し解説します。 所沢市の高校1年生が、動画配信「バンダイチャンネル」のアカウントを、持ち主に無断で約4万6000件も退会させました。使ったのは、自分で組んだとされる不正プログラム。サーバーに嘘の情報を送り込んで大量の退会を実行させ、運営会社のサービスを一時止めるほどの被害を出した、というのが報じられている中身です。 被疑罪名は偽計業務妨害。本人は認めていて、動機は「会社に恨みはなかった」と話しているそうです。恨みも金もない。やってみたら動いてしまった。この手の事件で最近よく見る形です。 (出典:時事通信 https://t.co/k0sSeGk0ts) ■ いちばんの見どころは罪名の選び方 偽計業務妨害は刑法233条、法定刑は3年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金です。「偽計」という言葉は硬いですが、要は人を騙す、相手の勘違いや無知につけ込む、機械に嘘のデータを食わせる。そういう行為を広くカバーします。詐欺の「騙し」よりもっと緩い。 過去には、盗撮カメラを仕込む目的でATMを長時間ふさぎ、ほかの客が使えないようにしただけで偽計業務妨害が認められた例もあります(最決平成19年7月2日)。人も物も直接いじっていないのにです。それくらい範囲の広い罪だと思ってください。 ただ、今回は少し毛色が違う。彼はサーバーに嘘の情報を送って、4万件を超える退会処理を機械に「実行させて」います。これ、条文をそのまま読むと234条の2「電子計算機損壊等業務妨害罪」のほうがしっくりくる。 こちらは刑が5年以下、罰金も100万円以下で、未遂でも罰せられます。偽計業務妨害より一段重いんです。 逮捕の段階では偽計業務妨害でしたが、今後こちらの罪で立件が動く可能性は十分あります。どちらで攻めてくるかで見通しはまるで変わる。私が弁護人なら、まずここを見ます。 ■ よくある誤解を先につぶしておきます 「大きな損害が出てなければ大丈夫」とよく言われますが、違います。業務妨害罪は、業務が止まる"危険"が生じた時点で成立する。実害までは要りません。だから「未遂だからセーフ」も通らない。 「AIに作らせただけ」も同じです。包丁で刺しても、AI製のプログラムで攻撃しても、法律が見るのは道具ではありません。あなたが何をして、どこまで分かってやったか。そこだけです。 そして「未成年なら逮捕はされないだろう」。これも危ない。15歳でも普通に逮捕されます。 ■ おそらくこれで終わりません 生成AIを悪用したとみられる少年の事件は、別のサービスへの攻撃でも報じられていて、正直まだ増える気がしています。作るハードルが一気に下がったからです。昔なら相当な技術が要った攻撃が、いまは「ちょっと試すか」の延長で組めてしまう。 今回は15歳なので、この先は刑事裁判ではなく家庭裁判所での手続きに進む見込みです。 ▼ もし身近で起きたら うちの子に限って…と思う気持ちはわかります。でも今のAIは誰の手元でもそれなりのものを作れてしまう。PCやスマホで「何ができてしまうのか」を、ご家庭で一度話しておくだけでも違います。 そのうえで、もしご家族やご自身が業務妨害・サイバー絡みで警察から連絡を受けたら、取調べで話し始める前に、弁護士へ一本連絡を入れてください。最初に何を話すかで、あとの処分の重さが変わってきます。サイバー事案はログが残る前提で進むので、「バレなければ」は通用しません。 ■ まとめると 偽計業務妨害は3年以下で、「偽計」の範囲はかなり広い。実害がなくても、未遂でも成立しうる。今回はより重い234条の2に発展する余地があり、道具がAIでも法的な評価は変わりません。そして15歳でも逮捕され、家裁に送られます。 刑事事件は最初の一手で流れが決まります。業務妨害やサイバー関係でお困りのときは、プロフィールのリンクからご相談ください(秘密は守ります)。 ※一般的な法律の解説であって個別ケースへの助言ではありません。実際の対応は弁護士にご相談ください。
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about 19 hours ago
「日本の刑事裁判の有罪率は99.9%」。 聞いたことがある人は多いと思う。「起訴されたら終わり」「裁判なんて形だけ」という文脈で使われがちな数字だ。弁護士として言えば、この数字自体は嘘ではない。でも、読み方を間違えると本質を見誤る。便利な数字ほど、雑に使われる。今日はこの一つの数字を、順番に読み解いてみよう。 まず、分母に気づくと景色が変わる。 99.9%は「起訴された事件」のうち有罪になる割合だ。ここが全てのポイントになる。日本の検察官は、有罪の立証に確信が持てる事件しか起訴しない。証拠が固まらない事件、立証に不安が残る事件は、起訴前の段階でふるい落とされ、実際、事件のかなりの部分は起訴されないまま終わっている。つまり99.9%は「裁判所が何でも有罪にする」ことの証明ではなく、「検察官が起訴の入口で厳しく選別している」ことの反映でもある。精密司法と呼ばれる日本の特徴が、この一つの数字に凝縮されている。 裏の意味その1。勝負は起訴前に決まる。 この構造から導かれる実務上の結論は明快で、刑事弁護の主戦場は法廷ではなく起訴前だということ。起訴されてから無罪を争うのは、確率の壁との戦いになる。だからこそ、逮捕直後の72時間、勾留中の23日間に弁護人が何をするかで結果が変わる。証拠の評価を争い、身柄の解放を目指し、被害回復を進め、検察官に処分の意見を伝える。不起訴を取ること。それが多くの事件での現実的な最善手であり、その活動は起訴の瞬間に締切を迎える。「裁判になったら本気を出す」は、この国の刑事司法では成立しない戦略だ。逮捕の連絡を受けて「裁判までに考えればいい」と構える家族が今も多いのは、この数字の意味が知られていないからだ。 裏の意味その2。数字の影に圧力がある。 99.9%の壁は、事実を争う被疑者への無言の圧力としても働く。「争ってもどうせ有罪になる」という空気は、不本意な自白や、本意でない「認め」につながりうる。長期の身柄拘束と組み合わさったとき、この圧力は制度の形をした強制に近づく。無罪判決が大きなニュースになるのは、それだけ稀だからだが、稀であること自体が、次に争おうとする人の心を折る方向に作用する。数字の輝きの裏側に、この循環がある。 よくある反論にも答えておこう。 「検察が慎重なら、むしろ良いことでは」という見方には一理ある。ただ、選別が入口で行われるということは、有罪無罪の実質的な判断の多くが、公開の法廷ではなく、外から見えない捜査段階で終わるということでもある。本来は公開の場で吟味されるはずだった攻防が、密室の中で決着する。精密司法の効率の代償は、この不透明さだ。だからこそ弁護士は起訴前の活動に力を注ぐし、取調べの可視化や証拠開示の拡大といった制度の議論が、今も続いている。ちなみに裁判員制度の導入は、この構造に市民の目を入れる試みでもあった。有罪率の数字そのものは変わっていないが、法廷での証拠の吟味のされ方には、確かな変化があったと感じている。 裏の意味その3。被害者側から読むと、別の顔になる。 同じ数字を被害者側から読むと、まったく違う意味が現れる。起訴のハードルが高いということは、被害者にとっての最大の関門が「起訴させること」だということだ。有罪率の心配をする段階に、そもそも辿り着けない事件が山ほどある。告訴が受理されない受理されても嫌疑不十分で終わる。だから被害者側の弁護活動は、証拠を捜査機関が使える形に整え、告訴を受理させ、検察官が「これなら立証できる」と判断できる材料を積み上げることに集中する。99.9%は、被害者側にとっては「起訴まで持ち込めば」という条件付きの希望の数字にも読めるのだ。 数字が教えてくれないこと。 有罪率には不起訴で終わった事件の中身は映らない。証拠不十分の陰に消えた真相も、起訴猶予で再出発の機会を得た人も、受理すらされなかった告訴状も、この数字の外側にある。一つの事件が99.9%の分母に入るまでにどれだけの関門があるか。その関門のそれぞれに人の人生が懸かっている。刑事司法の実像は、99.9%の内側ではなく、外側にこそ広がっている。加害者側と被害者側どちらの仕事も実はほとんどこの「数字の外側」で行われている。 数字は嘘をつかない。でも、数字の読み方を知らない人は数字に嘘をつかれる。刑事司法を一つの数字で断じる言説を見かけたら、まず分母を確認する。それだけで見える景色はかなり変わるはずだ。分母を確認する癖は刑事司法に限らず、世の中のたいていの「衝撃の数字」に効く。
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1 day ago
「警察が告訴を受け取ってくれない」というご相談が本当に多いので、被害者側の代理人として実務でやっていることを、書ける範囲で書いておきます。長いですが、いつか役に立つ内容です。保存をおすすめします。 ①まず「被害届」と「告訴」の違いを知る 被害届は「被害があったことの申告」です。一方、告訴は「犯人の処罰を求める意思表示」で、受理されれば捜査機関に一定の対応義務が生じます。だからこそ、窓口は告訴の受理に慎重になります。この構造を知らないと、いわゆる「門前払い」の意味が分からないまま消耗してしまいます。 ②証拠は「捜査機関が使える形」に整える ・SNSやメッセージのスクショは、日時・アカウント名・前後の文脈が入るように残してください。都合のいい部分だけの切り取りは、かえって信用を下げます ・ケガがあるなら診断書を。受診はとにかく早く。時間が空くほど、因果関係を争われやすくなります ・やりとりの録音は、ご自身が当事者の会話であれば基本的に証拠になりえます ・何より、時系列表です。日付・出来事・対応する証拠を一覧にした表が一枚あるだけで、窓口の反応は目に見えて変わります ③相談の記録を残す 相談した日時、警察署名、対応者の所属と氏名、相談受理番号を必ず控えておいてください。「言った言わない」を防ぐだけでなく、後に弁護士が引き継ぐ際の重要な手がかりになります。 ④「受理できない」と言われたら、理由を聞く 証拠が足りないのか。犯罪の成立に疑問があるのか。管轄の問題なのか。理由によって次の一手は全部違います。そして、理由を言語化してもらうこと自体が、曖昧な門前払いへの一番の牽制になります。 ⑤告訴状は「法律構成」まで書き込む 「ひどいことをされた」では、捜査機関は動けません。どの行為が、どの条文の、どの要件に当たるのか。それを証拠と紐づけて書く。正直なところ、ここが一番の山場で、専門家の関与で差が出る部分です。 ⑥提出先は警察だけではない 告訴は検察官に対してもできます。事案によってはこのルートが効くことがあります。選択肢は一つではない。この点は覚えておいてください。 ⑦弁護士名義にする意味 同じ内容でも、法律構成が整理された弁護士名義の告訴状は、検討の土俵に載りやすいのが現実です。悲しい現実だとも思います。本来、被害者ご本人の告訴も同じ重みで扱われるべきなのですから。 最後に、事実の特定が不十分であるなどにより、ここまでやってもなかなか動かない事件はあります。万能の裏技は存在しません。 それでも、「動かない」と「動かせない」は違います。 伝え方と整理の問題で止まっていた事件が、整え直したら動き出す。そういう場面を何度も見てきました。一度断られただけで諦める必要はありません。 法律は、黙っていても助けてくれません。でも、正しくノックすれば開く扉は、思っているより多い。それだけは知ってもらいたいところです。
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1 day ago
「よく犯罪者の味方なんてできますね」 刑事弁護をやっていると、一度は言われる言葉だ。 でも実は私は被害者側の代理人もやっている。刑事告訴の代理人だ。 被疑者被告人側と被害者側。両方の現場に立って初めて見えた景色の話をしたい。少し長いけど、最後まで読んでもらえたら嬉しい。 刑事弁護人が戦う相手は「被害者」ではない。国家権力だ。 逮捕された瞬間、人は圧倒的に無力になる。仕事を失う。家族と会えなくなる。スマホも取り上げられ、最長で23日もの間、身柄を拘束されたまま連日取調べを受ける。外の世界と繋がる手段は、ほぼ弁護人との接見だけ。 やってもいないことを「やりました」と言いたくなる心理は、あの接見室の空気を知らないと想像できないと思う。「認めれば早く出られるかも」という誘惑は、拘束が長引くほど強くなる。 有罪か無罪かを決めるのは裁判所であって、弁護人ではない。弁護人の仕事は、手続がフェアに行われるよう監視すること。この機能がなければ、冤罪は今よりずっと増える。 悪人の味方」ではなく「手続の番人」。それが刑事弁護の本質となる。 被害者側に立つと、別の絶望が見える。 一方で、刑事告訴の代理人をやると、まったく別種の、しかし地続きの絶望に出会う。 ドラマだと「訴えてやる!」の一言で警察が動くイメージかもしれない。現実は違う。 まず、告訴状がなかなか受理されない。「証拠が足りない」「これは民事でやってください」と、何度も突き返される。被害届と告訴の違いすら、丁寧に説明されないことも多い。 結局、被害者側が自分で証拠を集め、時系列を整理し、どの犯罪に当たるのかという法律構成まで整えて、ようやくスタートラインに立てる。 殴られた側が、殴られたことの証明のために走り回る。 この理不尽さは、経験した者にしか分からない。 「地続き」 さらに頭に入れておくべきことがある。あなたがもし、身に覚えのない罪をでっち上げられて、身柄を拘束され、家族とも離れ離れになり、元の生活に戻れなくなったとことを想像してほしい。 そう、冤罪で刑事事件の被疑者・被告人となるということは、まさしく被害者となることを意味する。 あなたは虚偽の被害申告を行うこと自体が犯罪でありその犯罪被害に遭ったという立派な被害者となる。 被疑事件、被告事件は被害事件にもなりうる。 刑事弁護では「国家権力が強すぎる」ことと戦い、被害者側では「国家権力が動かなすぎる」ことと戦っている。 矛盾して見えるが、実は同じ問題の裏表だ。 刑事司法というシステムは、個人にとって、とにかく「遠い」。 加害者とされた人にも、被害を受けた人にも、仕組みは複雑で、不親切で、専門家なしでは歯が立たない。 刑事弁護をやっているからこそ、告訴状に何を書けば検察が動くかが分かる。「この証拠なら弁護側はここを突いてくる」と読めるから、先回りして固められる。 逆に、被害者側をやっているからこそ、弁護人としての被害者対応の重みが分かる。示談交渉で被害者の心情を踏みにじるようなやり方は、巡り巡って依頼者のためにもならない。 「被疑者・被告人の味方」も「被害者の味方」も、突き詰めれば同じだ。 巨大なシステムの前で立ち尽くす、一人の人間の隣に立つこと。 最後に、覚えておいてほしいこと もしあなたが被害に遭い、警察に相談したのに動いてもらえなかったら。それは必ずしも「事件性がない」からではない。伝え方と証拠の整理で、結果が変わることは本当によくある。諦める前に、刑事事件を知る弁護士に相談してほしい。 もし、家族が突然逮捕されたら。 一刻も早く弁護士を呼んでほしい。最初の数日間の対応で、その後のすべてが変わる。 刑事司法は、遠い世界の話じゃない。 ある日突然、どちらの側としても、あなたの日常に入ってくる。 そのとき隣に立つのが、私たちの仕事だ。
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1 day ago
noteで記事を書きました!この投稿をリポストするとお得に記事を読むことができます。 金曜の夜、夫が逮捕された。「72時間」の攻防 | 須賀法律事務所
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https://t.co/17PjRxP2ep
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2 days ago
https://t.co/jikpUJppnM 「案件屋」の初逮捕が報じられています。注目すべきは罪名です。報道によれば、この人物は現場に行っていない。被害者宅の間取りや現金の保管場所を情報として指示役に渡した役割とされます。それでも被疑罪名は住居侵入と窃盗。 これが共謀共同正犯というものです。実行を分担していなくても、計画の中核を担えば、実行犯と同じ罪の正犯になりうる。報道では、指示役と互いに本名すら知らなかったとされる。匿名のまま、会ったこともない相手とでも共謀は成立しえます。 「手を出していない」「情報を送っただけ」「本名も知らない仲だ」。このどれもが法的には防壁になりません。 匿名・流動型と呼ばれる犯罪の形に刑法理論が追いついている。追いついていないのは、関わる側の認識だけです。
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2 days ago
弁護士が選ぶ「無視した人から順に人生が重くなる郵便物」ワースト3 「怖い書類は開けたくない」という心理は自然です。臭いものには蓋をしておきたい。でも法律の世界には、無視した瞬間から自動的に不利が積み上がる書類があります。実務でよく見るワースト3を紹介します。 第3位 プロバイダからの「発信者情報開示に係る意見照会書」。過去の投稿について、あなたの氏名住所を開示してよいかを問う書面です。回答期限は通常2週間程度。無視すれば、あなたの言い分が一切考慮されないまま手続きが進みます。争える投稿だったのに反論の機会を捨てた人、早期の示談で軽く済んだのに放置して訴訟まで育てた人。この封筒の放置は金額に直結します。 第2位 裁判所からの支払督促・訴状。「身に覚えがないから詐欺だろう」と捨てる人がいますが、本物の裁判書類を無視すると、異議や答弁の期限が過ぎ、相手の言い分どおりの判決や仮執行が確定します。架空請求と本物の見分けがつかないなら、封筒の裁判所に自分で電話して実在を確認する。それだけで少なくとも最悪の事態は避けられます。 第1位 捜査機関からの呼び出し。在宅事件の人に届く「お話を伺いたい」の通知。逮捕されていない気楽さから放置する人がいますが、正当な理由のない不出頭が続くと、逃亡のおそれありとして逮捕状の理由になりえます。在宅のまま罰金や不起訴で終わったはずの事件が、放置によって身柄事件に化ける。最も割に合わない無視です。 共通する構造は1つです。法的な書類は、あなたが読まなくても期限だけは進む。開けない自由はありますが、期限が止まる仕組みはこの世にありません。怖い封筒ほど、早く開けて弁護士のもとへ。
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2 days ago
「逮捕されたら人生終了」と皆が思っているが、実際の数字を弁護士が言うと驚かれる 逮捕のニュースを見ると、世間はその人の有罪と転落を確定事項として扱います。でも実務の数字は、イメージとかなり違います。 まず、逮捕された人が全員起訴されるわけではありません。検察官の処分には不起訴という出口があり、日本の刑事事件では、起訴されない事件が全体の相当な割合を占めます。起訴猶予、嫌疑不十分。理由は様々ですが、「逮捕=裁判=前科」という一本道は存在しません。 次に、逮捕されずに進む事件の方が多いという事実。刑事事件の過半は、逮捕なしの在宅事件として処理されます。ある日突然の逮捕より、「後日、話を聞かせてください」という電話から始まる事件の方が、実は多数派です。 勾留にも争う手続きがそれぞれ用意されている。72時間、10日、20日という持ち時間の中で、身柄を解く活動、不起訴に持ち込む活動が現実に行われ、現実に結果を変えています。 なぜこの数字が知られていないのか。逮捕は報道されるのに、不起訴は報道されないからです。入口だけが可視化され、出口は見えない。だから世間の頭の中で、逮捕された人は全員、逮捕されたままなのです。 これを書くのは、犯罪そのものを軽く見せたいからではありません。「終了」だと思い込んだ人は、動くのをやめるからです。本人も、家族も。実際には打ち手が並んでいる段階で、諦めだけが先に完成する。それが一番もったいない。 逮捕は結果ではなく、手続きの始まりです。始まりの時点で、終わりを確定させないでください。
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4 days ago
取調べは雑談から始まる。 供述調書ができるまでに起きていること 供述調書がどうやって作られるか、正確に知っている人はほとんどいません。取調室に入ったことがないのだから当然です。多くの調書を読み、接見で作成過程を聞き取ってきた立場から、あの書面ができるまでに何が起きているかを書きます。 まず最大の誤解から。供述調書は発言の逐語録ではありません。取調官が供述を聞き、取調官が文章にまとめ、本人に読み聞かせて署名させる書面です。 つまり書き手は取調官です。あなたが「揉み合いになって当たったかもしれない」と話したことが、「私は殴りました」という一人称の整った文章になる。ニュアンスの差は署名の瞬間に消え、残るのは「本人が署名した書面」だけです。法廷で「そういう意味で言ったんじゃない」という主張がどれほど通りにくいか。署名済みの調書の前では、記憶より紙が強い。これが実務の現実です。 取調べは世間話から始まります。出身地、仕事、家族。緊張をほぐすためでもありますが、それだけではありません。雑談で話した生活状況や交友関係は、供述の信用性を測る物差しになり、矛盾を突く材料になり、身上調書という立派な証拠になります。「事件のことは黙秘して雑談だけ応じる」つもりが、雑談の中の一言が事件供述の突破口になる。この構造を知らずに取調室に入るのは、ルールを知らずに試合に出るのと同じです。 読み聞かせの際、内容が違えば訂正を求める権利があります。制度上は。実際の場面を想像してください。数時間の取調べの末、目の前で取調官が読み上げる長文の書面。疲労し、早く終わりたく、「概ね合ってる」気がする。細部の違和感を指摘して、また一からやり直しになるのか——。この状況で訂正を申し立てられる人は多くありません。署名は流れの中で行われます。 だから弁護士は接見でこう伝えます。納得できない調書には署名しなくていい。署名拒否は権利であり、それ自体は不利益にならない。一度の署名は、百回の「そんなつもりじゃなかった」より重い。 取調室に弁護士は同席できません(この点、日本の制度は国際的に見て特異です)。持ち込めるのは、事前に得た知識と方針だけです。調書は取調官が書く。雑談も証拠になる。署名は拒否できる。訂正は求められる。そして方針は取調べが始まる前に弁護士と決める。この5行を知っているかどうかが、取調室の中では装備の差になります。
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4 days ago
被害届の取下げで事件は終わるのか|須賀法律事務所
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https://t.co/zyU0R8GybF 被害届の取り下げがあれば本当に事件は終わったと言えるのか、実務的な観点から解説しています。
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4 days ago
検察官はどうやって起訴を決めているのか|須賀法律事務所
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https://t.co/spQkEOwhxm
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4 days ago
接見室で弁護士と何を話しているのか|須賀法律事務所
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4 days ago
執行猶予は「無罪みたいなもの」ではない|須賀法律事務所
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https://t.co/ZoR5w38BkL
須賀法律事務所
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5 days ago
「とりあえず様子を見る」が一番高くつく弁護士が相談のタイミングについて本音で書く 法律相談を受けていて一番多く聞く言葉は「もっと早く来ればよかったですか」です。答えはほぼ常にイエスですが、それを言っても仕方ないので普段は言いません。代わりに、なぜ様子見が高くつくのか、構造から説明します。 刑事事件は「巻き戻せない手続き」でできています。民事のトラブルは多くの場合あとから巻き返せます。交渉が決裂しても訴訟がある。一審で負けても控訴がある。刑事は違います。逮捕から勾留までの72時間。勾留の20日間。起訴・不起訴の判断。この一つひとつが一方通行の分岐で、通過したら戻れません。 たとえば不起訴を目指せる事案でも、起訴されてしまえばゲームのルールが変わります。起訴前なら「起訴させない」活動ができたのに、起訴後は「量刑を軽くする」活動しか残らない。同じ弁護士が同じ熱量で動いても、着手が分岐の前か後かで、できることの上限が違うのです。 もう一つ見落とされがちな点。あなたが様子を見ている間、捜査機関は様子を見ていません。取調べは進みます。供述調書は積み上がります。本人は「正直に話せば分かってもらえる」と思って喋ります。そうして作られた調書は、あとから弁護士がついても簡単には覆せません。 被害者側でも同じです。告訴を迷っている間に証拠は劣化します。防犯カメラの映像は多くの場合数週間で上書きされます。様子見は中立な選択ではありません。時間の経過そのものが、一方の側に有利に働きます。 では相談すべきタイミングはいつか。基準は一つで足ります。「これは相談すべきことだろうか」と考えた瞬間です。冗談ではなく、これが実務的に正しい基準です。相談すべきか迷う程度には事態が動いているなら、専門家が見れば打ち手がある段階だからです。 それでも人が様子を見るのは、弁護士に相談する=事を大きくする、という感覚があるからだと思います。 実際は逆です。早い段階の相談ほど、事を小さく収める選択肢、例えば示談で刑事化を防ぐ、内容証明一本で止める、そもそも何もしないという判断が使えます。 弁護士への相談は開戦の合図ではなく、開戦せずに済むルートの検討です。 早すぎる相談で失うものは相談料だけです。遅すぎる相談で失うものは、選択肢です。
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5 days ago
「正直に話せば、すぐ帰してもらえますよ」 取調室でこの言葉を信じて、その後の人生を大きく狂わせてしまう人が、後を絶ちません。 覚えておいてほしいことが、ひとつあります。供述調書は、あなたが話したままの言葉ではありません。警察官が要約し、再構成した文章です。ニュアンスが変わっていても、確認せずサインすれば「本人が認めた」証拠として独り歩きします。 だから、 ・軽い「はい」「そうです」も自白になり得る ・覚えていないことは「覚えていない」でいい ・調書は必ず読み、違えば訂正を求める ・黙秘は、法律上まったく正当な権利 取調べで大事なのは、"何を話すか"と同じくらい"何を話さないか・どうサインするか"です。 話し始める前に、方針を持ってください。
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@sugassociates
5 days ago
「嫌だと言わなかったんだから、同意していたはずだ」 刑事弁護をしていて、いちばん危険だと感じる思い込みがこれです。 2023年の刑法改正で、不同意性交等罪は「拒むことが困難な状態」での性交を広く処罰するようになりました。ポイントは、"激しく抵抗したかどうか"では判断されない、ということです。 そして「同意があったか」は、あなたの頭の中ではなく、客観的な事情から判断されます。当日と前後のLINE、二人の関係の経緯、その場の言動——。これらが有利にも不利にも働きます。 だからこそ、最初の数日が勝負です。 ・自己判断でLINEを消さない ・被害者に直接連絡しない(証拠隠滅と見なされます) ・取調べの前に方針を固める 「同意はあったはずなのに」と感じている人ほど、動くのが早いほど守れるものが多くなります。
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須賀法律事務所
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6 days ago
業務上横領罪の懲役は何年?初犯なら執行猶予は狙えるのか──時効・減刑のポイントを弁護士が解説|須賀法律事務所
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BitTorrent(トレント)の開示請求が届いたら──示談金の相場・無視のリスク・正しい対処法を弁護士が解説|須賀法律事務所
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