マウス実験に嘘は無いですが、意図的に情報がオミットされています。ポストツリーに記載頂いた【model. umin. jp】の論文サマリでは強い結論を前に出した要約を強調して書いており、論文本文の保留・限界・代替説明を大部分省いており、しかもサマリには第三者レビューがありません。
さらにサマリ側の【1.背景】にヒトのART児について強調して言及しており、あたかも今回の実験と関連付ける結論だと誤読させうる文章です。(もちろん第三者レビューを通した方のJCIの本文では一切そんなことは書かれていません。)
では肝心の詳細論文は?というと【
https://t.co/cjb5CBHDaN
】に書かれているのがそうですが、確かにF2時点でのICSI出生マウスに奇形が現れました。しかし追加試験でIVFのマウスも同様の奇形が見られたと記載されています。原因は近交系マウスの環境要因と考えられます。つまりこの実験ではICSIのリスクを結論づけていないのです。
==引用ここから==
Unexpectedly, 15.4% of control-F2 offspring, which were produced by IVF using sperm from control-F1 mice and wild-type oocytes, showed similar congenital deformities (Figure 1D). Offspring with anophthalmia (3.8%), hydrocephalus (3.8%), and small eyes (3.8%) were born.
==引用ここまで==
さらにDiscussion部ではヒトとマウスでは異なるとも記載されてます。(サマリとは書き方がかなり違いますね。)
まとめると、論文サマリ(umin)の方は【論文の全部】ではなく、【論文全文(jci)の中で最も刺激の強い部分を前面に出した版】と言えます。
しかもサマリには【1.背景】でヒトのART治療の沿革を説明したあとにすぐセンセーショナルなマウスの実験結果を出しているので、ヒトもそうなのでは?と誤解を生む構造となっています。
さらにマウス実験そのものも記載がよくありません。最初の実験結果でICSIマウスに異常が発生した事実部分だけを切り取ってサマリに記載しています。追加試験でICSIが原因ではなかったかも…という反証をサマリ文ではオミットしてしまっています。
また、図も誤解を生んでいます。9割奇形が発生してるように見えるが逆で、そもそも1割ほどしか奇形は発生していないです。