アインシュタインの偉さは、自分が何度何度も考えて辿り着いた結果について、自分以外の大多数の研究者が「アインシュタインの主張が間違いだ、おかしい」と言っても、君らのほうが間違いだという姿勢を何年も貫ぬけたことですね。1905年に彼が提出した「光量子仮説」は、皆が光は波だと信じていた当時、彼を見出したプランクでさえ不支持を表明していました。この仮説を多くの人々が嘲笑していた状況に20年も耐えた後、やっとコンプトン散乱の実験で光量子が確認されて、学会の空気が完全に変わったのです。何度考えても自分が正しいと思う考えを、たった1人で、勇気をもってその他の人々に主張し続けたことが、彼のもっとも偉大なところでもあると思います。また1931年の『Hundert Autoren gegen Einstein』という書籍では、100人の物理学者がアインシュタインが成し遂げた物理学に、主に政治的な理由でケチを付けました。それに対してアインシュタインは「Why 100? If I were wrong, one would have been enough.(なぜ100人? 私が間違っていたら1人で十分だ)」と返しました。これもとても勇気の要ることです。この辺りでヘナヘナと自説を引っ込めそうな研究者も、現代では多くないですか?しかし、物理学者の資質として、1人でも戦い続ける勇気があることを、アインシュタインは示したのでした。