村上春樹さんの三年ぶりとなる長編小説『夏帆 The Tale of KAHO』が発売されました。装幀まわりについて、少し書いてみます。
カバーの白抜きは、帯にある〈ありくい〉を象ったもので、元の写真はブラジル先住民が作った椅子。
帯を外すとシンプルな装幀ですが、カバーの用紙はタイトルや著者名の箔押しがより綺麗に見えるようにやや厚めで、パルプにコットンを混ぜた、少しふうわりとした紙を使っています。→
【6/11発売・選書メチエle livre】
いま、ここにある神話
中沢新一
神話は過去の遺物ではない。神話的思考は死んでいない、それどころか、今もそこにあって、現代人の心の���で活発な活動を続けている。
ポケモンパレードが開く人生の深淵、デパートの物産展が喚起する贈与への誘惑、ブッダの化身かもしれないアンパンマン……日常の奥にひそむ、世界の秘密へダイブせよ。
[本書「プロローグ」より]
神話はインポッシベーグルと同じような2.5次元の世界を生み出す能力を持ったナラティブである。私たちは驚異にみちたそのナラティブを、おもしろおかしく聴きながら、そこに含意されている教訓や世界観について考えたり、他の人たちとそれを共有することによって、共同幻想をつくりだす。私たちが現実と呼んでいるものの少なからぬ部分は、このような現実には存在しない2.5次元の不可能物体によってかたちづくられている。私たちの世界はじつは、インポッシベーグルの構造をした神話によって取り���まれている。
[本書の内容]
プロローグ
I
女王の虹/デパートの物産展/量子もつれ/メタバースの夢/新しい「百姓」/聖地巡礼/人生のバグ/新年を迎える/地霊を食らう旅の友/坂本龍一との巡礼
II
ふたつの心/ガルガンチュアの末裔たち/神話とセカイ系/毒舌芸/渚の秘数3/岡山の時代/博物館推し/所ジョージという謎/人生はパレードだ
III
「アレ」について/量子論の濫用/神宮外苑の再開発/よみがえる昭和歌謡/両性具有の新次元/ストック型勇者/辰年を開く/箱根駅伝というミトロジー/月面に遊び心を
IV
アンパンマンと熊/まれびと再来/手のひらのエルサレム/ゴジラ、日本人の分身/ミニマリズム・コミック/二〇二四年並行宇宙の��/栃木の底力/神話マニア 水戸黄門/騒々しいお通夜
V
アナーキズムは新しい/法医学が人気/イコンとなった写真/「諏訪」を探す/魔法からアニミズムへ/おむすびの思想/渋谷へのレクイエム/よみがえれ、時代劇/カーゴカルトと世界の右傾化
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