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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
@ywagaroot
早大法/慶應LS既修/司法試験(総合4位)/弁護士(67期)/司法試験講師/個別指導700人、答案添削8000通、通信講座15000件以上(カリキュラム、無料公開講座含む)/自伝 :「自由」の先にあったもの→
YouTube:司法試験・予備試験の合格Tipsはこちら→
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
@ywagaroot
about 1 month ago
【リリース】新講座「基本判例精選問題集(民法&7科目)」 https://t.co/NHF6eYqk0v ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■ 講座概要 ■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ―― 基本判例を「使いこなす」ための究極の短文事例問題集 ―― 司法試験・予備試験で合否を分ける決定的な要素――それが判例です。 判例は条文と並ぶ法律家の共通言語であり、それを理解していなければ問題文に隠された論点を見抜くことも、答案に説得力を持たせることもできません。 実際、令和6年司法試験の採点実感(民事系科目第1問)7頁では、「法律実務における判例の理解・検討の重要性を再認識していただきたい(判例の採った論理や結論を墨守することを推奨してはいないが、判例と異なる見解を採るのであれば、判例を正確に指摘して批判することが必須である。)」と明言されています。 にもかかわらず、多くの受験生が判例の学習方法に悩んでいるのが現実。 「判例集や判例検索システムに掲載されている判例が膨大すぎる」 「どの判例を優先して学ぶべきかわからない」 「判例は理解しているつもりなのに、答案にうまく落とし込めない」 そこで生まれたのが、この 「基本判例精選問題集」です。 本問題集は、単なる判例集でも、単なる問題集でもありません。 インプットとアウトプットを同時に完成させ、「判例を試験で使いこなす力」を短期間で養成する、唯一無二の教材――。 判例学習の常識を変え、新時代のスタンダードとなる短文事例問題集です。 ※7科目セットは、単品購入より10%OFFとなっています。 https://t.co/RYjA9IX9fy ※本講座のテキスト(PDF形式)及び解説講義は、オンライン教育ツール「オンクラス」を通じて配信いたします(受講手順はご購入後にご案内いたします)。紙媒体やDVD等での提供は行っておりませんので、あらかじめご了承ください(PDFの印刷は可能です)。 ※視聴期限は無期限となります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■ 3つの特徴 ■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ─────────── "迷いゼロ"――合格に直結する判例だけを厳選 ─────────── 判例集はもちろん、判例検索システムには膨大な判例が掲載されており、限られた時間の中でその全てを消化しきることは現実的ではありません。 そのため、その中でも特に試験で頻出する「基本判例」を優先的に学習する必要があります。 しかし、多くの受験生はこの判断基準を持たず、闇雲に判例を読み進めてしまい、重要度の低い判例に貴重な時間を割いてしまうことが少なくありません。 このように、取捨選択を誤れば、学習が停滞し、合格に必要な判例を十分に身につけられないまま本試験を迎えてしまう危険すらあります。 そこで、本問題集では、司法試験・予備試験に合格するために必須の判例を厳選して収録。 基本的には多くの受験生が利用する「判例百選」(有斐閣)に掲載されている判例から選びつつ、試験対策上不可欠と判断した場合には、それ以外の判例も追加しています。 「膨大な判例の中から、どれを学べばよいか」という迷いを完全に解消し、合格に直結する重要判例を効率的に習得することができます。 ─────────── "読む"だけじゃ終わらない――"解く"と"聴く"で深く理解 ─────────── 判例集は「読む」だけ、問題集は「解く」だけ――従来は別々に学ぶ必要がありました。 しかし、判例をただ「読む」だけでは理解が浅く、記憶も曖昧になりがちです。 また、多くの問題集は過去問やオリジナル問題が中心で、判例そのものの直接的理解にはつながりません。 そこで本問題集では、判例そのものを事例問題化。 受験生自身が問題を「解く」という能動的な学習を通じて、次の3点を深く理解できるよう設計されています。 ・前提となる事実関係 ・結論に至る価値判断 ・その背景となる論理構造 また、関連知識や発展的事項も、必要に応じて脚注で補足解説。 点在する知識をつなぎ合わせ、体系的な理解を促します。 さらに、1判例あたり5分~15分程度の、簡潔ながらポイントを凝縮した解説講義も付属(総講義数66問、総講義時間約6時間30分)。 目で「読む」、手で「解く」に加え、耳で「聴く」というアプローチを取り入れることで、理解と記憶が飛躍的に高まります。 単なる暗記にとどまらず、「判例を自在に使いこなす力」が確実に身につく――。 これまでにない学習効率を実現する、一石三鳥の問題集です。 ─────────── "わかる"から"書ける"へ――得点力に直結する答案例 ─────────── 司法試験・予備試験では、判例知識を持っているだけでは不十分であり、それを答案という形に落とし込めて初めて得点につながります。 これこそが、判例学習の最大の難関です。 そこで、本問題集では、司法試験・予備試験の論文式試験において必ず押さえておくべき基本判例を厳選し、それらを事例問題化した上で、CBT試験に準拠した30文字×23行×最大8頁の解答例を収録。 書き出しから問題提起、論証、あてはめ、結論まで、答案作成の全プロセスを網羅しており、単に判例を理解するだけでなく、「実際に答案でどう書くか」まで具体的に学ぶことができます。 「わかる」から「書ける」へ――。 判例知識をそのまま得点に変える実戦力が確実に身につきます。
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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8 months ago
【合格者の声から見える共通項30選】 司法試験・予備試験の合格者たちが繰り返し語る「本当に大事なこと」をまとめました。 ─────【基礎知識・理解】───── ①超基本判例の理解が命 規範のみならず、事案(射程)や理由付けを含めてAランク判例を正確に理解・記憶しているか否かが合否を分ける。 ②条文が全ての出発点 条文から離れた空中戦は高得点につながらない。常に条文を意識し、条文に戻る癖が必要。 ③知識の「量」より「精度」 近年の試験は知識の多寡ではなく、法的思考過程を試している。限られた基礎知識を正確に理解して、正確に使うことが大事。 ④論証パターンを鵜呑みにしない 論証集や上位答案にも問題がある場合がある。自分が納得していないのに採点官を納得させられるはずがない。根拠を確認しながら吸収する姿勢が大事。 ⑤具体例やビジュアルで法律概念を理解する 抽象的な理論も、具体例や図表等で整理すれば正確に理解できる。イメージで捉える工夫が重要。 ─────【思考法・解法】───── ⑥「請求→法的根拠→要件→効果」の思考フローが武器になる 我々が勉強しているのは憲法、民法、刑法…ではなく「法律」という一つのもの。共通の思考フローがあれば問題が難しくても迷わないし、科目が違ってもブレずに同じ構造で書ける。 ⑦法的三段論法を徹底する 「規範→あてはめ→結論」の流れを崩さない(自明な要件など例外あり)。基本を守ることが高得点の前提。 ⑧「問題の核」を外さない力をつける 細かい論点を拾えなくても致命傷にはならない。それよりも、問題が何を聞いているかの本質を掴むこと。 ─────【答案作製技術】───── ⑨読みやすい日本語・伝わる文章が合格答案の前提 知識があっても、伝わらなければ点は入らない。"一読して意味が取れる日本語"が圧倒的に重要。 ⑩あてはめも「型」をストックする 規範は覚えていても、あてはめで手が止まる人が多い。具体的なあてはめ例を蓄積することが重要。 ⑪途中答案を避けるための答案戦略を構築する 途中答案は致命傷。まずは「自分の書くスピード」を把握した上で、答案構成段階で「何を何分、何頁(何行)ぐらいで書くか」を決めるところから。 ⑫細部に神は宿る 論理のつながり、主語述語の対応、一文の長さ、適切な助詞、意味のまとまりごとのナンバリング・改行。細部まで気を配った答案が高評価を得る。 ⑬知識があっても答案で使えなければ意味がない 判例・条文を知っているだけでは不十分。それを答案上で正確に表現できて初めて得点になる。 ⑭論点を拾っただけで満足してはいけない 同じ論点に触れていても、条文の使い方、規範の正確さ、あてはめの説得力、文章の巧拙などで評価は大きく変わる。 ⑮「何をどの程度書くか」の感覚を磨く どこを厚く書き、どこは薄くていいか。この配分感覚が得点力を左右する。 ─────【学習方法・教材活用】───── ⑯時にはインプットに戻る勇気も必要 基礎知識が足りないと気づいたら、勇気を持ってインプットに戻る判も合格への道。「急がば回れ」。 ⑰答案は書かないと書けるようにならない 読むだけ、聴くだけの勉強では答案力は伸びない。実際に手を動かし、添削を受け、改善を繰り返す試行錯誤が唯一の道。 ⑱信頼できる模範答案で「到達点」を知ることの重要性 何を目指せばいいのか分からないまま勉強しても、効率が悪い。最高レベルの答案を知ることで、学習の方向性が定まる。 ⑲過去問は「量」より「質」 何年分解いたかより、良問を深く学べたかが重要。一度解いた問題、一度添削を受けた答案であっても何度も繰り返すことで、本番でどんな問題も『どこかで見た』という感覚で対応できる。 ⑳「なぜその表現・順序なのか」まで理解する 模範答案の形だけ真似ても意味がない。一つ一つの記述の意図を理解することが大事。 ㉑努力の方向性が間違っていないか常に検証する 頑張っているのに成績が上がらないなら、やり方そのものを見直す必要がある。 ㉒出題趣旨・採点実感のどこに注目すべきかを知る 漫然と読むのではなく、重要なポイントを見抜く目を養うことが大事。 ─────【添削・フィードバック】───── ㉓自分では気づけない答案の欠点がある 実は「できた気」になっているだけのことが多い。第三者の厳しい目でチェックされて初めて真の弱点が見えるし、自分自身の答案を客観視できるようになる。 ㉔厳しい指摘を前向きに受け止められる人が伸びる 添削で凹んでも、それを糧に改善を続けられる人が最後に合格する。赤ペンを「伸びしろ」と捉えられるか否かはあなた次第。 ㉕切磋琢磨できる環境が成長を加速させる 他の受験生の答案を見たり、議論したりすることで学習の視野が広がる。 ㉖「基準値」を高く持つ 普段から自分に厳しい矢印を向けていれば、本番で多少のミスがあっても合格水準は超える。 ─────【試験対策・本番準備】───── ㉗「点数」を意識することで勉強の方向性が変わる 試験には「採点基準」がある。「自分が書きたいこと、書けること」をいくら書いても「出題者が書いてほしいこと」が書いていなければ高得点は望めない。 ㉘本番のメンタル維持には「自信」が不可欠 「この勉強法で大丈夫」という確信が、本番での冷静さを生む。 ㉙試験の「形式」に慣れる 問題文の長さはどの程度なのか、どのくらいの分量を書けるのか、制限時間はどの程度シビアなのか、長時間書き続けたときの疲労度はどうか…。形式面や体力面の訓練も合否を左右する。 ㉚本番で「淡々と実践する」ための準備 特別なことをするのではなく、学んだことを淡々と実行できるレベルまで習熟させることが合格の条件。 ─────────── これらは全て、合格者が実際に体験し、痛感したこと。 「何となく勉強している」状態から抜け出すヒントがここにあります。 ※みつば法務道場に寄せられた合格者の声はこちらから。 https://t.co/ZwS3mXGBLe
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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8 months ago
【添削現場から見える低評価答案の共通項20選】 実際の添削コメントから抽出した、「低評価答案」に共通する典型的パターンをまとめました。 これらは、実際の答案添削で繰り返し指摘されている問題点です。 ─────【基礎知識・理解】───── ①条文の指摘がない/不十分・不正確 「条文の解釈・適用」を行うのが法律家であり、条文は議論の出発点である。「何条」だけでなく「○項」「○号」「本文・但書」「前段・後段」「柱書」まで正確に示す必要がある。2項以下のない条文で「○条1項」と書いたり、「本文」と「柱書」を混同したりする答案も少なくない。 ②条文番号を取り違える 基礎的な条文は、勉強が進めば自然に定着していくはず。そこを誤るということは「基礎的理解が足りない」と判断されかねない(一度ならケアレスミスでも、繰り返せば…)。 ③条文を正確に読めていない 要件の拾い漏れ、意味内容の誤解、条文の勝手な改変など。我流の理解では評価されない。 ④重要論点・判例を知らない 問題文から当然想起されるべき論点・判例に触れず、答案が一瞬で終わっていることもある。「司法試験・予備試験でこんなに単純な問題が出るだろうか?」と疑うべき。典型論点に気づかないのは、インプットの根本的不足を疑わせる。 ⑤体系的理解がない 刑法や憲法で特に顕著。基本的構造(共通言語)に沿って議論を組み立てないと、「論点以前に基本ができていない」と判断される。 ─────【問題把握・分析】───── ⑥設問の要求に真正面から答えていない 試験で点を取る唯一の方法は「問われたことに答える」こと。「やれ」と言われたことをやり、「やるな」と言われたことはやらない。司法試験の民訴・行政法では「上司(修習先の裁判官、勤務先のボス弁等)の指示」形式の誘導を外す受験生も多いが、実務で上司の指示に従わなかったらどうなるだろうか? ⑦事実への意識が甘い 事実関係の誤読、重要事実の拾い漏れなど。法曹の仕事は「個別具体的紛争の解決」であり、事実こそ条文と並ぶ法曹の出発点である。 ⑧配点割合を無視する 配点と答案分量は概ね一致するはず。0.5頁で30点は通常あり得ない。構成段階で分量が極端に多すぎたり少なすぎたりしたら、「何かを間違えたのでは」「何かを見落としているのでは」と疑うべき。 ─────【論理・思考】───── ⑨説明不足・論理の飛躍 答案は、採点官に対して「私は合格させるのに相応しい人間ですよ」と説得するための文書(法曹も、日本語の文章で他人を説得するのが仕事)。結論だけしか書いていなくて、論理の飛躍があって、読み手が「なるほど」と思うだろうか? ⑩法的三段論法(規範→あてはめ→結論)を守らない 法律とは社会における規範(ルール)。ルールは先に決まっていなければ、誰もそれに従わない。少なくともメイン論点では三段論法を厳守すべき。「趣旨」を「規範」と誤解し、趣旨にあてはめている答案も散見される。 ⑪接続詞を使わない 「論文式試験」とは「論理的な文章の形式で解答する試験」。適切な接続詞がないと文章間、段落間の論理関係が不明になる。採点官に善解を期待してはならない。立証責任は受験生側にある。 ⑫整理せずに書く 論理的な順序を考えず、思いついたことを思いついたままにダラダラと書き連ねるかのような答案は、読み手に負担をかけ、評価されない。 ─────【言葉の雑さ】───── ⑬日本語の文章力に問題がある 主語がない、主語と述語が対応していない、一文が過度に長く意味不明、修飾関係が不明瞭、係り受けが曖昧など、「読み手に伝わらない文章」に点は入らない。まずは自分の文章を音読するところから。 ⑭法律用語の誤用 「請求」と「主張」、「履行不能」と「履行遅滞」、「制約」と「侵害」、「有効要件」と「対抗要件」など、似ているが異なる概念を混同している。専門用語を適切に扱えることが「専門家」の前提。 ⑮初歩的な誤字・脱字 「勾留」を「拘留」、「発付」を「発布」、「紛争」を「粉争」など、初歩的ミスは基礎理解への疑念を招く。日本語は法曹の武器。 ─────【形式・体裁】───── ⑯ナンバリング・改行・字下げが雑 1だけあって2がない、⑴の次が⑶になっている、論理構造を意識せず適当にナンバリング・改行している、段落冒頭の1字下げをしていないなど。形式面それ自体で直ちに減点されるわけではないが、「形式が雑=内容も雑」と疑われかねない。 ⑰一貫性のなさ 同一人物が書いたとは思えないほど、設問間・前後で文体や構成が変わる答案は、思考の雑さを示す。 ─────【答案戦略】───── ⑱不要な議論を書きすぎる 自明な要件について延々と述べたり、同じことを何度も繰り返したりするのは、書く量を無意味に増やしているだけであり、時間と紙幅と労力の無駄遣い。 ⑲書く量が少なすぎる 書いたからといって必ず点数がもらえるような甘い試験ではないが、書いていないことに点数が与えられることは絶対にない。 ⑳水掛け論に終始する 司法試験は法的な知識と能力を測るものであるので、事実認定レベルで水掛け論をしても仕方がない(司法H19ヒアリング)。 ─────【結論】───── これらのミスの根底にあるのは、「基礎の基礎」ができていないという一点に尽きる。 ・問題文を正確に読む ・条文から出発する ・判例を正確に理解し使う ・論理的に考え、論理的に書く ・言葉を大切にする まずは基礎に立ち返り、条文・判例・テキストを丁寧に読み込み、問題文を正確に把握し、きちんとした日本語で、論理的な文章を書く訓練を積むこと。 それが唯一の、そして確実な合格への道である。
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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7 months ago
【合否を分ける"受け皿"】 司法試験・予備試験の勉強で、多くの受験生が見落としているが、実は“合否を分ける”と言っていいほど重要な考え方がある。 それが――「受け皿を作る」という発想だ。 多くの受験生は、基本書や判例百選を読み、論証を覚え、過去問や演習書を解き、答練を受ける。 知識をどんどん詰め込み、問題を手当たり次第に解きまくる。 だが、その貴重な知識や経験を“どこに、どう格納するのか”まで意識している受験生は少ない。 受け皿のない場所に水を注げば、水はすべて地面にこぼれ落ちる。 同じように、受け皿がないまま知識を詰め込んでも、問題演習をしても、記憶には定着せず、本番で"使える知識"にはならない。 ─────「受け皿」とは何か───── 受け皿とは、知識や経験を整理し、"使える形"に変換するための思考のフレーム(型)のことだ。 例としては: ・「請求→法的根拠→要件→効果」という全科目共通の思考フロー ・各科目に固有の思考体系や検討手法 ・各論点の標準的な処理手順 こうした"型"が頭に構築されることで、知識や演習の経験を整理する“最適な置き場”が生まれる。 まずこの枠組みを構築することこそが、学習効率を劇的に変える鍵になる。 ─────受け皿がないまま勉強すると───── 受け皿がないと、次のような状態に陥る: ・知識を丸暗記するだけで、使用場面がわからず応用も利かない ・過去問を解いてもその場しのぎで、再現性がない ・「勉強しているのに成績が伸びない」という泥沼にはまる 知識量も演習量もあるのに、本番で点が取れない受験生の多くは、実は“受け皿”が欠けている。 ─────受け皿が整うと───── 受け皿が整うと、学習は一気に「知識や経験を吸収するスポンジ」へと進化する。 具体的には、次の3つの変化が起きる: ・新しい知識が自動的に整理され、使用場面や使用方法が明確になる ・演習の経験が型に紐づき、再現性のある形で定着する ・一度解いた問題から得られる学びが増幅し、成績向上に直結する つまり、知識が“使える形”で定着し、アウトプットの質が劇的に向上する。 その延長線上にこそ、合格がある。 ─────まず受け皿を作れ───── 受け皿が整えば、受験生は自走できる。 自分で知識を整理し、演習から気づきを得て、答案を磨いていけるようになる。 逆に、受け皿のないまま100時間講義を聞いたり、100問過去問を解いたりしても、成長は頭打ちになる。 これが「努力しているのに成績が上がらない受験生」の正体だ。 だからこそ、私は指導において、まず「受け皿」を作ることを徹底している。 知識やテクニックはそのあとでいい。 その効果は、実際の合格者の声が証明している: ・「繰り返し周回した後、改めて判例百選を自分でよんだところ、講座で扱っていない判例、新しい判例もなんとなく答案にどう活かせばいいのかわかるようになっていました」(基本判例精選問題集) ・「沢山の教材からある種寄せ集め的に集約し記憶した知識をどのような流れで答案に乗せていくのかという受験生の悩みを解消してくれるものです」(各科目の思考フロー) ・「あくまで条文が最も重要であることに気づいたことで、判例法理や学説の理解がより深化するとともに、地に足がついた議論を展開できるようになったと思います」(過去問添削) https://t.co/ZwS3mXGBLe これこそが、最短で合格に到達するための根本戦略である。 ─────まとめ───── 「何となく勉強している」という状態から抜け出し、 あなたの努力を確実に合格へとつなげたいなら―― まず「受け皿」を作ることから始めよう。 受け皿さえあれば、あとは注ぐだけだ。
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加藤喬(弁護士&加藤ゼミナール代表)
@byoosoku
加藤ゼミナール代表 | 弁護士 | 5歳から体操→全国5位 | 青学→慶應law | 総合39位・労働法1位で司法試験合格 | 加藤ゼミナール設立 | 開校4年で累計合格者数1120名突破
アガルート アカデミー司法試験・予備試験
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谷山政司 (アガルートアカデミー司法試験予備試験講師)
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法律事務所ASCOPE/弁護士/アガルートアカデミー/講師/予備試験/ゼミ・個別指導出身合格者200名/倒産法/倒産法講義受講生から倒産法1位合格者が出ました/司法試験/個別指導/ 答案添削数合計3万5000通/受講相談年間400件/お問い合わせはDMまで/YouTube「谷山政司の「T山D式」チャンネル」もやってます
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7 months ago
【それは「勉強」ではなく「作業」だ】 司法試験・予備試験の受験生の多くは、実は「勉強」ではなく「作業」をしている。 では、その違いは何か? ・勉強=「原理・システム」を理解したうえで、"知識"を身につけること ・作業=「原理・システム」を理解しないまま、"場当たりの表現"だけを暗記すること この違いを理解しない限り、どれだけ時間をかけても成績は頭打ちになる。 ─────「作業」に陥っている受験生の典型例───── 次のような“勉強”をしていないだろうか? ・予備校の論証パターンや判例の規範を丸暗記するだけで、なぜその結論に至るのかを理解していない ・参考答案をなぞるだけで、なぜその構成になるのかを考えていない ・合格者の再現答案から良さげなフレーズを抜き取るだけで、なぜそれが評価されるのかはわからない これらはすべて「作業」だ。 短期的には答案が書けるようになるかもしれないし、特に初学者がこうした取り組みから入ること自体は否定しない。 しかし、このような「作業」に終始しているだけでは、問題の形が少し変わっただけで、途端に手が止まってしまう。 なぜなら、原理が入っていないから応用できないのだ。 ─────なぜ「原理・システム」が必要なのか───── 司法試験・予備試験は暗記だけでは突破できない。 試験の本質は「法的思考力」を問う点にあるからだ。 だから、出題される問題には次の特徴がある: ・過去問と全く同じ問題は出ない ・丸暗記の論証や判例を丸暗記しても太刀打ちできない現場思考が必ず要求される ・多くの受験生が想定していない別の方向性を問題文が示すことすらある このとき、原理・システムを理解していない受験生は、持っている知識を使えない。 逆に、原理・システムを理解している受験生は: ・過去問とは見た目が違っても、「あ、これは○年の過去問と同じ考え方でいける」と気づける ・現場思考が求められる場面でも、判例の射程や論理を自分で判断できる ・想定外の問題であっても、問題文のヒントを基に自ら思考ルートを組み立てられる つまり、原理・システムこそが法的思考力の核心なのだ。 ─────「作業」から「勉強」へ───── では、どうすれば「作業」から抜け出し、「勉強」に切り替えられるのか? 答えはシンプルで、とても難しい。 ——常に「なぜ?」を問い続けること。 ・なぜこの条文から出発するのか ・なぜこの順序で検討するのか ・なぜこの規範が導かれるのか ・なぜ判例はそのように判断したのか ・なぜこの答案が高く評価されるのか この「なぜ?」を積み重ねることで、表面的な暗記から原理・システムの理解へと飛躍する。 そして、原理が理解できれば: ・暗記の量を大幅に減らせる ・出題形式が変わっても慌てず対応できる ・忘れにくく、仮に忘れても再現できる ・未知の論点でも、原理を頼りに正しい結論にたどり着ける ─────独学の限界と、正しい指導の価値───── ただし、独学で「なぜ?」を突き詰めるのは簡単ではない。 基本書や判例評釈には、「これはこうなっている」「これはこう判断された」という“結論”は書かれていても、 その結論に至る“理由”や“背景のロジック”まで丁寧に説明されていないことも多い。 また、仮に自力でその理由を掘り当てられたとしても、そこに膨大な時間を取られてしまい、 本来注ぐべき別の学習にあてる時間が削られてしまうことも少なくない。 だからこそ、「原理・システム」を最初から示してくれる指導は大きな価値を持つ。 原理・システムが腑に落ちた瞬間、思考の迷子が一気になくなり、学習効率は劇的に上がる。 実際、ある合格者はこう語っている: 「『法律ってこういう風に考えてこう書いていくんだ。上位合格者ってこのレベルで知識をおさえているんだ。判例ってこういう風に使うんだ。』と毎回驚きがあって自分の勉強のしかたが大幅に変わっていきました」(過去問添削) https://t.co/ZwS3mXGBLe ─────まとめ───── あなたが今やっているのは「勉強」だろうか? それともただの「作業」だろうか? もし、"場当たり的な表現"だけを集めているのなら—— それは間違いなく「作業」だ。 本当の「勉強」とは、原理・システムを理解し、そのうえで"知識"を身につけること。 表面的な暗記ではなく、本質的な理解を。 それこそが、あなたを合格へ導く。
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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7 months ago
【暗記から逃げるな】 次のような言説を耳にしたことはないだろうか: 「理解していれば、自然と答案は書ける」 「暗記しなくても、考えれば出てくる」 「現場思考が重視される今の試験では、暗記は重要ではない」 耳障りはいい。だが、あえて問いたい。 ——本当にそれで、本番の極限状態で答案が書けるのか? ─────「理解していれば書ける」という幻想───── 確かに、そのスタイルで合格する天才肌もいる。 それは否定しない。 だが、暗記を軽視した多くの受験生に待っているのは、残酷な現実だ。 ——言葉が出てこない。 頭では分かっている。なのに、文章として出力できない。 あなたも心当たりがないだろうか。 ・判例の規範が「なんとなく」しか出てこない ・論証の組み立てに迷い、その場で時間を浪費する ・考慮要素が抜け落ち、あてはめがスカスカになる 理解していても、それを「言語化」できなければ、採点官には伝わらない。 答案は、最終的に「文字」にならなければ点数にならないのだ。 ─────暗記は、最大の「時短」である───── 暗記にはもう一つ、決定的な価値がある。 「時間と思考リソースの節約」だ。 本番では、時間がない。 毎回ゼロから考えていては、勝負にならない。 暗記ができている受験生は強い。 ・基本部分の答案構成が瞬時に終わる ・基本的な定義や論証を「反射」で書き出せる ・浮いた時間と思考リソースを、現場思考やあてはめに全投入できる 基本動作を自動化するからこそ、応用部分に集中できる。 これが、暗記の戦略的価値だ。 ─────理解と暗記は「二項対立」ではない───── なお、ここまで読んで、こう思った人もいるかもしれない。 「お前は今まで理解が大事と言っていたじゃないか。自己矛盾だ」と。 誤解しないでほしい。 理解と暗記は対立しない。 むしろ、相互補完の関係にある。 ・理解は、思考の「方向」を定める ・暗記は、答案の「精度」と「速度」を支える 両方が揃って初めて、合格答案は完成する。 ─────「正しい暗記」とは何か───── では、どう暗記すべきか? 理想は、「理解した上で、正確に覚える」ことだ。 理解しているからこそ、呪文のような言葉がすっと頭に入ってくる。 正確に覚えているからこそ、ペンが止まらない。 だが、順序にはこだわらなくていい。 「暗記してから、理解が追いつく」こともあるからだ。 最初は意味が分からなくてもまず覚える。 けれど、繰り返し書くうちに「ああ、こういうことか」と腑に落ちる瞬間が必ず来る。 暗記が、理解の入口になることもあるのだ。 暗記をしないということは、その入口を閉ざしてしまうことでもある。 ─────「何を」暗記すべきか───── もちろん、全てを丸暗記するのは非現実的だ。 勝負の分かれ目は、「合格に必須の事項」を見極める選球眼だ。 例えば: ・基本的な定義 ・典型論点の論証パターン(特に重要判例の規範) ・あてはめの考慮要素 これらを「正確に」記憶する。 それ以外は理解で補う。 このメリハリこそが重要だ。 ─────まとめ───── 理解は大事だ。 思考の型がなければ、応用は利かない。 だが、暗記も同じくらい大事だ。 正確な言葉を持たなければ、答案に落とし込めない。 暗記は地味で苦痛だ。終わりのない作業に思えるかもしれない。 だが、それを避けていては、いつまで経っても書けるようにはならない。 理解と暗記。 その両輪を回し続けた者だけが、合格というゴールに辿り着ける。
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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7 months ago
何か「10合目を目指す」に引っ掛かっている方もいらっしゃるようですが、別に以下でもいいです。 要は、ここで言いたいのは「ちゃんと目減り分を織り込んでね」ってことなので(まあ本当は「8掛け」は大分甘い見積もりだとは思ってますが)。 ─────だから「上」を目指す───── では、この“目減り”を前提にどう対策すべきか。 答えは一つ。 合格ラインより"上"を目指すこと。 「10合目の答案」を目指せば: 10合目 × 0.8 = 8合目(=合格ライン超え) 「8合目の答案」を目指した場合でも: 8合目 × 0.8 = 6.4合目(=合格ライン超え) 実力の80%しか発揮できなくても、十分合格できる。 "上"を目指すのは、 「満点(高得点)を取るため」ではなく、 「余裕を持って合格ラインを上回るため」だ。
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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7 months ago
【「合格ライン」を目指すな】 私の答案に対して、こういう声が寄せられることがある。 「完全解すぎて再現可能性がない」 「もっと合格ラインに近い現実的な答案がほしい」 たしかに、司法試験・予備試験に満点(あるいはそれに近い点数)で合格した人など、聞いたことがない。 この試験は、満点を取る必要はない。 合格最低点を上回れば、それで十分だ。 一方、私の答案は、時間無制限・文献参照自由という環境下で、何度も推敲を重ねて仕上げた答案だ。 本番でそのまま再現できるはずがない。 だから、そう言いたくなる気持ちは理解できる。 だが、それには理由がある。 『わざと』そうしているのだ。 ─────なぜ「完全解」を示すのか───── 登山を例にしよう。 あなたが山を登っているとして、「10合目の景色」を知らなかったらどうなるか? ・今自分のいる場所が何合目か分からない ・頂上までの距離も分からない ・方向が合っているかも分からない ゴールを知らなければ、闇雲に歩くしかない。 (なお、これは比喩なので、「いや、実際の山には看板があるだろ」というツッコミはひとまず置いてほしい。) 逆に「10合目の景色」を知っていれば: ・「今は6合目あたりだな」と現在地が分かり ・「あと4合だ」と距離が分かり ・「この道を進もう」と方向性が分かる 勉強も同じだ。 “到達点”を知らなければ、現在地も、距離も、方向性も分からない。 ─────「合格ライン答案」の罠───── では、なぜ受験生は「合格ライン答案」を求めるのか? 「合格ライン答案で勉強すれば、十分合格ラインに届く」 そう考えるからだろう。 しかし、ここに大きな誤解がある。 ──それは幻想だ。 どれだけ優れた模範答案で勉強しても、 必ずどこかで“目減り”する。 ・理解したつもりでも誤解がある ・覚えたつもりでも曖昧な部分が残る ・本番で緊張して一部が抜け落ちる ・時間不足で書けない部分も出る 甘く見積もって、せいぜい"8掛け"だ。 つまり、 「合格ライン答案」を目指すと: 合格ライン × 0.8 = 合格ライン未満 これが現実である。 ─────だから「10合目」を目指す───── では、この“目減り”を前提にどう対策すべきか。 答えは一つ。 合格ラインより遥か"上"を目指すこと。 「10合目の答案」を目指せば: 10合目 × 0.8 = 8合目(=合格ライン超え) 実力の80%しか発揮できなくても、余裕を持って合格できる。 問題の難度によっては、60%で届くことも珍しくない。 10合目の答案を目指すのは、 「満点を取るため」ではなく、 「余裕を持って合格ラインを上回るため」だ。 ─────「完全解」によって培われる力───── 完全解が重要な理由はそれだけではない。 完全解には、正しい答案構築の方向性が詰まっている。 ・思考の順序 ・書くべき理想の深さ ・判例の使い方 ・論証の組み方 完全解を知ることで、視野が広がり、脳の許容量が増え、法的思考力が劇的に高まる。 そして、最も重要なのは、 完全解を踏まえて自分で取捨選択することだ。 ・「ここは重要度が低いから三段論法を崩す」 ・「ここは得意だから厚いまま残す」 ・「ここは理解が浅いから最低限でまとめる」 人によって書ける量も得意/不得意も違う。 だからこそ、完全解を基準に、自分で“削る/残す”の判断を積み重ねる必要がある。 一方、「合格ライン答案」ではそれができない。 すでに誰かが取捨選択を終えてしまっているからだ。 そして、この「自分で削る訓練」こそが、 本番での“現場判断力”を磨くことに直結する。 大は小を兼ねるが、小は大を兼ねない。 完全解という土台があって初めて、「自分なら、どこを残し、どこを削るか」を考えられるのだ。 ─────だから、私が作る───── もっとも、司法試験・予備試験は極めて難易度の高い試験だ。 完全解を自力で作れる人は、講師でもごくわずかだ。 では、誰がそれを作るのか。 私は司法試験に総合4位で合格した。 「10合目」に限りなく近い地点までは到達した。 そこから、講師として数多の基本書・判例に向き合い、 出題趣旨・採点実感を分析し続けてきた。 だからこそ、 「10合目の景色」を具現化することができる。 その景色を、まだ見ぬ受験生に届ける。 それが、私の役割だ。 ─────まとめ───── 「合格ライン」を狙う勉強は、常に"誤差"との戦いだ。 誤差によって合否を左右されたくないなら、高く構えるしかない。 完全解は、再現するためのものではない。 到達点を知り、距離・方向性を掴み、法的思考力・現場判断力を磨くための”地図”なのだ。 高い目標を持て。 その先に、合格が待っている。
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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7 months ago
【得意を伸ばす vs 苦手を潰す――“勝ちパターン”はどっち?】 司法試験・予備試験の勉強で、多くの受験生が直面する迷いがある。 「得意を伸ばすべきか?」 「苦手を潰すべきか?」 結論から言おう。 迷わず、苦手を潰すべきだ。 ─────なぜ「苦手潰し」が優先なのか───── 理由は明確だ。 この試験は、「穴を作らないことが大事な試験」だからだ。 まず、この試験の特徴を確認しておこう。 ①「一発勝負」である 科目別合格制度はないし、旧司法試験時代にはあった口述不合格者の筆記試験免除制度も消滅した。 全科目・全段階(短答・論文・口述)を"一度で"突破しなければならない。 ②「科目ごとの足切り」が存在する 司法試験では、1科目でも基準点*未満なら即不合格となる。 *短答:各科目40%(民30/憲20/刑20)、論文:各科目25%(民事75/公法50/刑事50/選択25) 予備試験に科目別の足切りはないが、大崩れが重なると総合点で取り返すのは難しくなる(無論、不可能ではないが)。 ③出題分野・配点に「偏り」がある 論文式試験では、ある分野からの出題が設問のまるまる1つを占め、その配点が3割といったことも珍しくない。 その出題分野が苦手だったらどうなるかは、火を見るより明らかだ。 ④「及第点」で受かる 一般に、予備は5割、司法は6割が合格ラインと言われる。 満点はおろか、超高得点を取る必要もない。 ここから、次のような状態は望ましくないことがわかる: ・論文は得意だが短答は苦手 ・刑法は得意だが民事訴訟法は苦手 ・〇〇法の分野Aは得意だが分野Bは苦手 つまり、合格に必要なのは"全体のバランス"だ。 「得意」はいくらあっても構わないが、及第点すら取れない「苦手」を残すと、それが不合格の要因になりかねない。 ─────「山を高くする」より「穴を埋める」───── 苦手を潰すことは、「学習効率」の観点からも重要だ。 次の単純化した例で考えてみよう。 どちらが簡単だろうか? パターンA:70点の得意科目を80点にする(+10点) パターンB:30点の苦手科目を60点にする(+30点) 数字だけ見れば、Aの方が簡単に思える。 だが実際は、Bの方が圧倒的に簡単だ。 なぜなら、得意科目(70点)を伸ばすには、知識の範囲、精度、深度をさらに詰める必要があるのに対し、 苦手科目(30点)は、基礎的な定義・重要判例・典型論点を固めるだけで一気に伸びるからだ。 しかも、得意科目の70点は、それ単体で見れば合格ラインを超えている。 超上位合格を目指すような場合でない限り、これ以上投資する意味は薄いのだ(その場合でも、苦手をなくす方が優先だ)。 「山を高くする」には土砂を頂上まで運ぶ必要があるが、「穴を埋める」には目の前の穴に土砂を入れるだけで済む。 コストパフォーマンスに優れているのは、「苦手」の方だ。 ─────「苦手潰し」の具体的戦略───── あなたが「苦手」と感じている分野を挙げてみよう。 ・統治 ・国家賠償法 ・家族法 ・手形・小切手法 ・複雑訴訟 ・贈収賄罪 ・補強法則 ……たぶん、心当たりがあるはずだ。 では、これらの共通点は何か。 才能が必要な難解な分野か? 違う。 単に「テキストの後ろの方にある」だけだ。 多くの受験生は、テキストの前半で力尽き、後半はおろそかになる。 触れる回数が少ないから、定着しない。 それを「苦手だ」と脳が錯覚しているケースが多い。 ならば、やるべきことは一つだ。 ──意識的に、触れる回数を増やす。 例えば、「複雑訴訟の日」を作り、その1日で、 ・教科書 ・論証集 ・問題集 ・論文過去問 ・短答過去問 これらを一気に回す。 多角的に触れれば、知識が「立体的」につながり、一気に定着する。 あるいは、2周目は「後ろから」回すのも有効だ。 触れる頻度が均等になり、苦手意識が消える。 いずれにせよ、8000通以上の答案を添削してきた経験から言えることがある。 30点しか取れない原因は「才能」ではない。ただの「インプット(周回)不足」だ。 ─────まとめ───── 多くの受験生は、苦手科目を後回しにする。 それは能力不足ではなく、 「できない自分に向き合うのが怖い」という心理が働くからだ。 しかし、司法試験・予備試験は、 避けた場所ほど、そのまま失点源になりやすいという構造を持つ。 だからこそ、真っ先に向き合うべきは、 あなたが“最も避けたい場所”だ。 苦手潰しは、単なる弱点修正ではない。 合格可能性を最小コストで最大化する、最強の投資だ。 その一歩を踏み出した瞬間、合格はぐっと手の届く距離になる。
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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7 months ago
【司法試験の勉強で得られる“一生モノ”の力】 司法試験・予備試験の勉強は、単なる「資格を得るための勉強」ではない。 その過程で手に入る力は、法曹になってもならなくても、あなたの人生を確実に底上げする“汎用スキル”だ。 ─────①「事実」と「評価」を峻別する力───── 多くの人は、「事実」と「評価」をごちゃ混ぜにしてしまう。 この混同が、不要な対立と非生産的な議論を生む原因になることがある。 例えば、ついこんな言葉が出てしまう場面は多い。 ──「あなたって、人の意見を全然聞かないよね」 これは"評価"だ。 言われた側は「そんなことない」と反発する。 議論は平行線。何も解決しない。 一方で、 ──「昨日の会議で、Aさんが発言している途中に2回、あなたが発言を被せて話を中断させていた(事実)。その結果、Aさんが意見を言いにくくなっていたように感じた(評価)」 この順番なら、相手は受け止められる。 反論ではなく、対話が始まる。 司法試験の勉強では、 「事実をまず切り出し、その後に評価を加える」 という"思考の順序"が徹底的に叩き込まれる。 この力があると、感情に飲まれない。 冷静に状況を整理できる。 仕事でも人間関係でも、あなたは問題の核心を見抜ける“信頼される人”になる。 ─────②物事を分析し、整理する力───── 司法試験・予備試験の事例問題は、とにかく複雑だ。 だからこそ、 ・一つの問題を ・請求、法的根拠、要件、効果、論点…などへと分解し ・1つ1つ検討したのち、再構成する という作業が必要になる。 つまり、 「複雑な問題をシンプルな形に分析して整理する力」 が嫌でも鍛えられる。 これは、ビジネスパーソンにとって極めて重要なスキルだ。 企画書作成、プレゼンテーション、プロジェクト管理── すべてに使える、強力な武器になる。 ─────③論理的に考え、説得的に伝える力───── 司法試験・予備試験は「知識量」だけでは絶対に合格ラインを超えられない。 最終的に問われるのは、 “あなたは採点官を論理で説得できるか?” ということだ。 「結論だけ」では誰も納得しない。 「なんとなく」は通用しない。 「何故そうなるのか」を論理的に説明できて初めて、「なるほど、確かに」と思ってもらえる。 だから、試験勉強を続けていると、 「感覚で話す人」から “理由を言葉にできる人” へと変わっていく。 この訓練を続けた人の“言語化能力”は、一般の社会人とは別次元になる。 会議で、プレゼンで、交渉で── あなたの言葉が、相手を動かすようになる。 ─────まとめ───── 資格を取るかどうかは人生の一部にすぎない。 だが、 ・「事実」と「評価」を峻別する力 ・物事を分解し、整理する力 ・論理的に考え、説得的に伝える力 これらの能力は、あなたの人生のあらゆる場面の質を引き上げる。 だから私は断言する。 “あなたが今している勉強は、人生を強くするための投資だ”と。
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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7 months ago
【"インプット派 vs アウトプット派"──不毛な争い】 司法試験の勉強法は、時代によって極端に振れてきたように思う。 旧司法試験時代は、とにかく"インプット偏重"だったと言われる。 合格率が極端に低かったため、膨大な知識を詰め込むことが必要とされていたからだ。 私が勉強を始めたのは、旧司法試験から新司法試験(法科大学院制度)へ移行する時期で、まさに「インプット偏重の是正」が叫ばれていた。 そのおかげか、この頃は皆が"アウトプットの重要性"に気づき、指導者側も、受験生側も、アウトプットを積極的に実践する人が増えた。 ところが、近年では、 それを通り越して、 「とにかく問題を解け」 「アウトプット量こそ正義」 「インプットは最小限でいい」 という"アウトプット偏重"の空気が強くなっているように感じる。 だが、私に言わせれば、"インプット偏重"も、"アウトプット偏重"も、どちらも間違っている。 司法試験の勉強では、インプットとアウトプットを“往復”させてこそ伸びる。 ─────両者の"正しい関係"───── ◆それぞれの役割 まず大前提として、本試験では「問題を解けるかどうか」がすべてだ。 だから、普段から「問題を解く訓練」=「アウトプット」をすることは必須だ。 しかし、知識ゼロの状態でいきなり問題文を読んでも、何が問われているのかすら分からない。 解説・解答例を読んでも、一行目から意味がわからない。 だからまず、最低限のインプットが必要になる。 1周目のインプットは、アウトプットの事前準備にすぎない。 その上で、実際にアウトプットをすると、一気に弱点が浮かび上がる。 ・そもそも知識として持っていなかったこと ・暗記したつもりだったが曖昧だったこと ・理解したつもりだったが誤解していたこと ・知識はあったが書けなかったこと アウトプットは、単に解けるかどうかを確認する作業ではない。 自分では気づけない穴を、強制的に可視化させる行為なのだ。 ◆「交互」に行うことの効果 そして、一度アウトプットをした状態で、インプットに戻ると、同じテキストがまるで別物のように見える。 重要なポイントが、光って見える。 ・「これ、ちゃんと書いてあるし、俺線引いてんじゃん」 ・「そうだ、こういう内容だった、もう一度正確に覚え直そう」 ・「ああ、この説明ってこういう意味だったのか」 ・「なるほど、これはこう書けば良かったのか」 つまり、 アウトプット後に再びインプットに戻ることで、 ・理解が深まり ・点と点が線でつながり ・知識が使える形で定着し ・答案の精度も上がる そして、またアウトプットをする。 そこで、新たな気づきや課題が生まれ、さらにインプットの質が上がる。 この往復運動を繰り返すことで、“表面的な知識”ではなく“体系的な知識”へと進化していく。 ─────偏重の末路───── 逆に、どちらか一方に偏るとどうなるか。 ――インプット偏重を続けると 「穴」が明らかにならないから、 ・「分かったつもり」で終わる ・いざ書こうとすると手が止まる ・自分の弱点すら把握できなくなる ――アウトプット偏重を続けると 「点」のままで終わるから、 ・毎回同じミスを繰り返す ・間違った理解のまま固まる ・"行き当たりばったり"から抜けられない 結局、どちらも、量は増えても質は上がらない。 伸び悩む受験生の典型パターンだ。 ─────まとめ───── 残念ながら、この試験に"エレベーター"はない。 「インプットだけ」「アウトプットだけ」では、目標階にはたどり着けない。 "螺旋階段"を一段一段上るように、 インプット → アウトプット → インプット → アウトプット→ … これを回し続けるしかない。 急がば回れ── 結局、それが最短ルートなのだ。
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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7 months ago
【成績は「直線的」ではなく「二次関数的」に伸びる】 司法試験の学習において、多くの受験生が陥る"誤解"がある。 それは、「勉強した分だけ成績は右肩上がりの直線で伸びていくはずだ」という思い込みである。 あらかじめ誤解を解いておこう。 司法試験における成績は、決して「Y = 2X」のような、"直線的"な伸び方はしない。 「Y = 1/20X²」(Y = 1/20X^2)のような、"二次関数"の軌道を描く。 ─────なぜ「最初は伸びない」のか───── 学習を開始してからしばらくの間、成績は驚くほど伸びない。 グラフは地を這うように横ばいのままだ。 なぜか。 それは、初期段階の知識が「独立した点」としてしか存在しないからだ。 司法試験の学習において、単発の知識(点)はほとんど役に立たない。 短答の肢別問題のような一問一答形式なら解けるかもしれないが、 それだけでは、複雑な論文の事例問題には、到底太刀打ちできない。 この時期、脳内には知識の点が打たれているが、回路は繋がっていない。 だから、勉強量(X)が増えても、成績(Y)は伸びない。 数式にある係数「1/20」は、この「知識が有機的に結合するまでのタイムラグ」を表している。 ───── 「ブレイクスルー」の正体───── しかし、ある時点を境に、状況は激変する。 いわゆる「ブレイクスルー」だ。 これは、脳内に蓄積された無数の「点」が、一気に「線」となり、「面」として構造化される瞬間である。 新しく学んだ1つの知識が、既存の知識と結びつき、理解が加速度的に深まっていく。 いわゆる「1を聞いて10を知る」状態だ。 ここから、グラフは急角度で上昇を始める。 これが「X²(二乗)」の力が発動するフェーズである。 ─────「潜伏期間」で絶望するな───── にもかかわらず、このブレイクスルーの手前で諦めてしまう受験生が後を絶たない。 多くの受験生は、自分の成長曲線を「直線(Y = 2X)」だと想定している。 そのため、潜伏期間(二次関数の初期)において、 「これだけ勉強したのだから、これくらいは解けるはずだ」という期待と、 「全然解けない」という現実の間に、巨大な乖離を感じてしまう。 この幻想と現実のギャップこそが、受験生を挫折させる最大の要因だ。 「これだけ勉強したのに、全く解けるようにならない」 「自分には才能がない」 そうではない。 あなたは今、燃料を蓄積している最中なだけだ。 二次関数の「平坦な部分」の後には、「急上昇フェーズ」が待っている。 ─────まとめ───── 勉強時間と成績を、単純な比例関係として捉えてはいけない。 今、成績が伸び悩んでいるとしても、焦る必要はない。 あなたの努力は無駄だったのではない。 まだ「回路」が繋がっていないだけだ。 回路が接続された瞬間、世界は変わる。 その時を信じて、ただ淡々と、努力を続ける。 爆発的な上昇気流に乗ることができるのは、 足を止めずに進み続けた者だけだ。 (※画像はあくまでイメージであり、数学的な正しさには目を瞑ってください)
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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7 months ago
【合格者のアドバイスを"鵜呑み"にするな】 合格者の体験記やアドバイスは、受験生にとって貴重な情報源だ。 だが、そこには"大きな落とし穴"がある。 多くの受験生は、「何をやったか」だけを見て真似しようとする。 「過去問を5周した」 「基本書を精読した」 「答練を大量に受けた」 「〇〇予備校の△△攻略講座をとった」 どれも嘘ではない。 実際、その人はそれで合格したのだろう。 だが、その行動はあくまで「その人にとっての最適解」に過ぎない。 そのまま真似しても、あなたが受かる保証はどこにもない。 ─────問題は「内容」ではない───── 合格者の体験記やアドバイスが役に立つとは限らない理由は、 その内容が間違っているからではない。 合格者が特定の勉強法を実践したのには"理由"がある。 特定の教材を選んだのにも"理由"がある。 ・自分の弱点がどこにあったのか ・その弱点を克服するために何が必要だったのか ・その勉強法・教材がどう機能したのか この「背景にある理由」を理解せずに、 行動だけをコピーしても意味がない。 なぜなら、あなたとその合格者では、 ・現在の実力が違う ・得意・不得意が違う ・使ってきた教材が違う ・指導者や勉強法が違う ・置かれている環境が違う "前提条件"が違えば、取るべき戦略も変わる。 ─────本質は「何故」にある───── 表面だけを真似ると、どうなるか。 例えば、「過去問を5周した」と聞いて、自分も5周したとする。 だが、その合格者は1周ごとに弱点を洗い出し、 インプットに戻り、理解を深めていたかもしれない。 一方、あなたが何も考えずにただ5周しただけだとすれば、 それは「作業」であって「勉強」ではない。 「やった気」になって終わるだけだ。 合格者のアドバイスから学ぶべきは、 「何をやったか」ではなく、 「何故それをやったのか」だ。 ・「基本書を精読した」 →何故?予備校の論証パターンの丸暗記では応用が利かず、限界を感じたから。 ・「答練を大量に受けた」 →何故?初見の問題への対応力や、本番の時間感覚・答案戦略を身につける必要があると思ったから。 ・「〇〇予備校の△△攻略講座をとった」 →何故?自分はいつも△△に関する分野が出ると答案が全く書けず、致命傷になる可能性があったから。 この「何故」が分かれば、自分にも応用できる。 自分の現状を分析し、 「今の自分に必要なのは何か」を見極めたうえで、 合格者の経験を"参考"にする。 これが正しい使い方だ。 ─────まとめ───── 合格者の体験記やアドバイスは、確かに価値がある。 だが、それは「レシピ」ではなく、「ヒント」だ。 だから、合格者の話を聞くときは、 必ずこう問い直すべきだ。 「何故、それが必要だったのか」 他人の成功体験を盲信するな。 自分の頭で考え、自分だけの戦略を組み立てろ。 それができた者だけが、合格を掴む。
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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7 months ago
【"質"は"量"の先にある】 多くの受験生が、こう考えている。 「効率の良い方法で勉強したい」 「無駄な努力はしたくない」 「量より質で勝負したい」 ──その気持ちはよく分かる。 時間は有限だ。 効率を求めるのは当然だ。 だが、あえて言おう。 "質"ばかり求めて、"量"から逃げるな。 なぜなら、勉強における"質"とは、 圧倒的な"量"をこなし、試行錯誤と失敗を繰り返した果てに残る結晶のことだからだ。 ───── 最初は「量」だ ───── ◆「情報収集」に時間を浪費するな 「誰かが、最高効率の勉強法を知っているはずだ」 「それさえ見つかれば、自分も最短で合格できる」 そう考える受験生は、何をするか。 ・SNSで勉強法の情報を集める ・合格体験記を読み漁る ・予備校の講座案内を比較検討する ・知恵袋やフォーラムで質問を投稿する それ自体が悪いことだとは言わない。 だが、その間に実際に勉強した時間は? その時間を勉強に使っていたら、どれだけ学習が進んだだろうか? 情報収集は、行動していない自分を正当化するための「免罪符」になりやすい。 しかし、情報を集めるだけでは、答案が書けるようにはならない。 ◆質は「後から」ついてくる そもそも、「万人に共通する効率的な勉強法」など、この世には存在しない。 100人の合格者に勉強法を聞けば、100通りの答えが返ってくる。 「効率的な勉強法」は、誰かから"与えられる"ものではなく、自分で"発見する"ものだ。 ・理解が深まりやすい学習順序 ・記憶に定着しやすい暗記方法 ・学習するのに適した時間帯 ・躓きやすい分野や理解が浅い論点 ・自分に合う教材 これらは、実際にテキストを読み、講義を聞き、問題を解き、そして答案が真っ赤にされる経験をして初めて見えてくる。 この大量のデータが蓄積されて初めて、 「自分にとって最適化された勉強法」が確立される。 つまり、"質"を手に入れるには、 まず"量"をこなして、自分で「試行錯誤」するしかない。 ───── 「無駄」を恐れるな ───── ◆何故「無駄」といえるのか? 「でも、間違った方向で量をこなしたら、時間の無駄では?」 そう思う気持ちは分かる。 だが、考えてみてほしい。 「間違った方向」かどうかは、どうやって判断するのか? ・この教材が自分に合うか → 使ってみなければ分からない ・この勉強法が効果的か → 試してみなければ分からない ・この順序が理解しやすいか → やってみなければ分からない つまり、「間違った方向」かどうかを見極めるためにも、ある程度の量が必要なのだ。 合格者は、決して最初から完璧な勉強法を知っていたわけではない。 色々な教材を試し、 色々な方法を試し、 うまくいかなければ修正し、 また試す── この試行錯誤を通じて、 ようやく「自分の型」を掴んだのだ。 ◆そもそも「無駄」なのか? 「無駄な勉強をしたくない」と言うが、 特に学習初期段階における「無駄」は、実は「無駄」ではない。 それは、自分に合うスタイルを見つけるための「必要経費(サーチコスト)」だ。 野球選手がフォームを固めるために、何万回とバットを振るのと同じだ。 バットを振り、マメを潰し、筋肉痛に耐え、 試行錯誤しながら振り続けた者だけが、 無駄のない洗練されたフォームに到達する。 「効率」とは、結果論に過ぎない。 最初から効率を求めすぎると、「手抜き」になりかねない。 ─────まとめ───── 失敗してもいい。 遠回りに見えてもいい。 動かないことこそが、最大の失敗だ。 "量"から逃げるな。 "質"は、その先で待っている。
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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7 months ago
【"近く"に、"具体的"な、"多段階"のハードルを作れ】 「将来は司法試験に合格したい」 「〇年以内に受かりたい」 目標を立てるのは素晴らしい。 だが、この目標だけで最後まで走り続けられる人間は、まずいない。 なぜなら、人間は、"遠くて曖昧な目標"では頑張れないようにできているからだ。 ─────「近く」の「具体的」なハードル───── 学生時代を思い出してほしい。 あなたは、なぜあんなに必死に勉強できたのか? ・明日までの課題提出 ・来週の小テスト ・今月末の中間・期末試験 こうした「差し迫った期限」と「明確な課題」があったからだ。 「3年後に卒業試験があるから」という理由だけで毎日机に向かえた人間などいないだろう。 司法試験も、例外ではない。 ・「3年後の試験で合格する」 ・「1年目は基礎固め、2年目は過去問演習、3年目は総仕上げ」 それでは足りない。 ・「今日」「具体的に」何をすべきか ・「今週」「具体的に」何をすべきか ・「今月」「具体的に」何をすべきか ・「今年」「具体的に」何をすべきか ここが空白のままなら、 その「〇年計画」は、ただの"願望"に過ぎない。 ─────「多段階」のハードル───── ◆ハードルは「高ければいい」わけではない では、目標を細かく設定すればいいのか? それだけでは不十分だ。 真面目な受験生ほど、自分に"高すぎるハードル"を課して自滅する。 「短答の過去問を1日30問解く」 そう決めたとする。 だが、実際には10問しか解けなかった。 このとき、何が起きるか? ・「できなかった」という焦り ・「自分はダメだ」という落ち込み ・「明日もできないかも」という不安 これらの理由から、モチベーションが下がる。 高すぎる目標は、達成できなかったときの"ダメージ"が大きい。 そして、そのダメージが積み重なると、勉強そのものが苦痛になる。 ◆「多段階」のハードルを作れ では、どうすればいいのか? 答えは、ハードルを"多段階"で設定することだ。 例えば、短答の勉強なら、こう設定する。 ①「絶対にクリアすべき最低ライン」=1日1問 →どんなに忙しくても、疲れていても、1問だけなら解ける。「1問でもやった」という事実が、自己肯定感を守る。 ②「順調といえる標準ライン」=1日10問 →これをクリアできれば、「順調だ」という手応えが得られる。10問解けたなら、着実に力がついている。 ③「理想的な最大ライン」=1日30問 →クリアできれば、今日は最高の1日だ。素直に自分を褒めていい。その達成感が、明日への推進力になる。 重要なのは、どの段階でも"前に進んでいる"と実感することだ。 これが、長期戦を戦い抜くための"心の安定装置"になる。 ─────まとめ───── 司法試験の合格は、"今日の積み重ね"でしか手に入らない。 合格という目標を実現するのは、"小さな達成"の連続だ。 だからこそ、目標は「近く」に、「具体的に」、そして「多段階」で設定しろ。 遠くの大きな目標だけを見ていると、足元がおろそかになる。 だから、足元にいくつものハードルを置き、一つずつ越えていく。 その先に、合格が待っている。
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7 months ago
(追記) ─────「継続」がもたらす3つの効果───── なぜ、低負荷でも「継続」が必要なのか。 理由は3つある。 ◆効果①:リズムが途切れない (略) ◆効果②:メンタルを維持できる (略) ◆効果③:やる気は後からついてくる 人間は不思議なもので、 実際に手を動かし始めると、やる気が湧いてくる。 「1問だけ」と決めて机に向かったはずが、 気づいたら3問、5問と解いていた── そんな経験があるはずだ。 重要なのは、「最初の一歩」を踏み出すことだ。 やる気が出るのを待っていても、やる気は来ない。 動き始めれば、やる気は後からついてくる。
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7 months ago
【「やる気が出ない日」にこそ差がつく】 誰にでも、「やる気が出ない日」はある。 朝から体が重い。 机に向かう気力が湧かない。 テキストを開いても、文字が頭に入ってこない。 ──そんな日が、あなたにもあるはずだ。 では、そんな日は何をすべきか? ─────「何もしない日」を作るな───── やる気が出ない日を、こう過ごしてはいないか? 「今日は調子が悪いから休もう」 「無理して勉強しても効率が悪いだけだ」 「英気を養って明日からまた頑張ろう」 そして一日中SNSや動画を眺め、何となく時間を潰して終わる。 気持ちは分かる。 だが、これはマズい。 「完全に何もしない日」を作ると、翌日も動けなくなる。 人間は一度止まると、再び動き出すのに膨大なエネルギーを必要とする。 「今日やらなかった」という事実は、脳に「明日もやらなくていい」という免罪符を与えてしまう。 これが、多くの受験生を蝕む「負のスパイラル」だ。 ─────「低負荷の作業」という選択───── では、やる気が出ない日はどうすればいいのか。 答えは単純だ。 高い志は捨てて、「負荷の低い作業」をする。 ・問題を1問だけでも解く ・論証を音読する ・過去に解いた問題を見返す ・条文を素読する 難解な基本書を読む必要も、答案を書く必要もない。 極論、机に向かう必要すらない。 布団の中で、寝ながらでもいい。 ただし、「完全にゼロにはしない」。 この一線を守ることこそが、長期戦においては決定的に重要だ。 ─────「継続」がもたらす2つの効果───── なぜ、低負荷でも「継続」が必要なのか。理由は2つある。 ◆効果①:リズムの維持(習慣化) 勉強はリズムだ。 毎日勉強する習慣がある人は、やる気の有無に関わらず体が自然と動く。 逆に、一度リズムを断つと、再開時に凄まじい「抵抗」が生まれる。 「低負荷の作業」でもいいから毎日続けることで、リズムを維持できる。 ◆効果②:メンタルの維持(成功体験) 何もしないと「何もできなかった」という罪悪感が残り、 翌日のパフォーマンスを下げる。 だが、たとえ1問でも解けば、 「今日はゼロではなかった」という成功体験は残る。 完璧ではなくても、止まってはいない。 その事実が、翌日の自分を支える足がかりになる。 ─────まとめ───── やる気が出ない日は、年間で何日あるだろうか。 10日?20日?30日?いや、もっと多いはずだ。 その日を「完全にゼロにする人」と、 「低負荷でも何かをする人」とでは、 1年後、どれだけの差が生まれるか。 ・1日1問でも解けば、1冊の問題集が終わるかもしれない。 ・論証を音読すれば、主要な論証は覚えきれるかもしれない。 ・過去問を見返せば、ある年度の問題は完璧になるかもしれない。 一方、その間「完全にゼロ」だった人には、何も残らない。 足を止めた者は、その瞬間に追い抜かれる。 どんなにゆっくりでも、泥臭くてもいい。 前に進み続けた者だけが、合格というゴールにたどり着く。 ※その他のコラムはこちら。 https://t.co/DMGyFDfPCN
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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7 months ago
【受験生よ、"怠惰"であれ】 私は、基本的に怠惰な人間だ。 面倒なことはしたくない。 頭を使うのは疲れるから嫌いだ。 できるかぎり楽をして生きていたい。 そんな私が、 なぜ総合4位という超上位で合格できたのか。 答えは、「怠惰だったから」だ。 現場で悩み、考え、その場で言葉をひねり出す。 そんな「面倒で頭を酷使する作業」を極限まで減らす。 ──そのために、私は自分自身を 「問題を解く機械(プログラム)」に改造することにした。 ───── 「考える」のではなく「処理する」 ───── 本試験当日、問題文を前に「うーん」と腕を組んで唸る。 論点を探し、構成を考え、表現を選ぶ。 多くの受験生は、これを「思考」と呼ぶ。 だが、私に言わせれば、多くの場合、ただの「準備不足」にすぎない。 私が目指したのは、 「コマンド(問題文)を入力すれば、自動的に結果(答案)が出力される状態」だ。 これを実現するために、主にやったことは4つ。 ◆①「基礎基本」の徹底 ・使うべき条文は何条か ・要件は何か ・どの論点が問題になるか 基礎基本が曖昧だと、本番で迷う。 迷いは膨大なエネルギーと時間を奪う。 逆に、ここを瞬時に判断できれば、 リソースをあてはめや応用問題に全振りできる。 だから、基礎基本は条件反射レベルまで叩き込んだ。 ◆②「思考フロー」と「答案フォーマット」の確立 「問題文のどこから読もう」 「何をどの順番で書こう」 「書き出しはどうしよう」 「接続詞は何を使おう」 そんなことで脳のリソースを消費したくない。 だから私は、「思考フロー」と「答案フォーマット」を固定した。 もちろん、問題に応じて微調整することはあるが、その都度ゼロから考えるようなことはしない。 本番で頭を使うのは、「本番当日にしか考えられない部分」だけでいい。 ◆③論証の「丸暗記」 基礎基本を理解しているだけでは足りない。 その内容を日本語の文章に変換することが、最も大変だからだ。 また、「てにをは」で迷ったり、表現で詰まったりするのは、タイムロスでしかない。 そのため、論証をスムーズに出力できるよう、何度も反復した。 その結果、気づけば一言一句、完全に覚えていた。 最初から目指したわけではないが、 突き詰めた結果、そうなった。 ◆④通算4回の模試受験 模試は単なる「実力試しの場」ではない。 「本番のシミュレーションをする場」だ。 ・試験会場の雰囲気 ・コンビニやトイレの場所、混雑度 ・椅子の硬さや机の広さ ・時間配分 ・疲労度 ・「想定外」の対処法(トラブルシューティング) これらを確認した上で、作成した「プログラム」が、中日を含めた5日間という長丁場に耐え、正常に稼働するか。 それを4回の模試で徹底的にテストし、バグを全て潰した。 その結果、本番は「5回目の模試」という気楽な感覚で受験することができた。 ───── 怠惰を求めて勤勉に行き着く ───── 「本番で考えたくない」 「本番で悩みたくない」 「本番で苦しみたくない」 この強烈な欲求が、完璧な準備段階を生んだ。 まさに「怠惰を求めて勤勉に行き着く」である。 多くの受験生は、本番で必死に考えようとする。 だから時間が足りなくなり、ミスをし、疲弊する。 逆だ。 「本番で自動的に手が動くレベル」まで、 事前に自分をプログラミングしておくのだ。 論証を覚えるのが辛い? フォーマットを作るのが面倒? 本番で脂汗をかきながら、 ゼロから文章を考える苦痛に比べれば、 その程度の作業など、取るに足らない。 ───── まとめ ───── 合格に必要なのは、現場でのひらめきや才能ではない。 「徹底した事前準備」だ。 感情や調子に左右されず、 淡々と正解を吐き出すマシーンになれ。 「本番で楽をするため」に、 今は誰よりも愚直に準備をせよ。 ※その他のコラムはこちら。 https://t.co/DMGyFDfPCN
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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6 months ago
【問題文は"この順番"で読め】 論文式試験の問題文を開いたあなたは、 どこから読み始めるだろうか? 「当然、頭からだろ」 ──そう思ったなら、非常に危ない。 論文式試験の答案は「読書感想文」ではない。 試験という「戦い」に勝つために書くものだ。 だから、問題文も、ただ読めばよいというものではない。 「戦略的な順序」で読むものだ。 その順番を、今から教示する。 ─────①「配点」を見る───── 問題文を開いたら、乱丁・落丁の次に、 真っ先に確認すべきは「配点」だ。 「〔設問1〕、〔設問2〕、〔設問3〕の配点割合は、30:20:50」 この数字が、あなたの答案戦略を決める。 「何を、何分、何頁で書くか」 これらは、概ね配点割合に比例する。 にもかかわらず、配点を見ない受験生は後を絶たない。 その結果、何が起きるか。 ──設問1と2に時間と紙幅を割きすぎた結果、配点の半分を占める設問3でほとんど何も書けない。 最悪の事故だ。 だが、そんな答案は添削現場で山ほど見てきた。 答案構成は、配点を見た瞬間から始まっている。 ─────②「設問」を読む───── 「試験」とは「設問に真正面から答えるゲーム」だ。 「1+1=?」という設問に対して「フェルマーの最終定理の証明」を書いても、0点に決まっている。 にもかかわらず、多くの受験生は、 問題文を最初から読み、最後に設問を見て、 「あ、こういうことが問われていたのか」と気づく。 それでは遅すぎる。 設問を後回しにすると、 「これは使うのか?」「これはどういう意味だ?」 と迷い続け、時間と思考を浪費する。 逆に、設問を先に読めば、 「何が問われているのか」が明確になり、 必要な情報だけを迷いなく拾える。 (無論、「甲の罪責を論ぜよ」のように何も書いていないに等しい設問もあるが。) ─────③「誘導」(会話文)を読む───── 司法試験の民事訴訟法や行政法(近時は憲法も)では、 会話文形式の「誘導」が付されている。 設問は「〇〇について検討しなさい」と、ざっくりしか投げてこないが、 誘導は「△△を踏まえて、□□の要件について、××に注意して検討してください」と、出題意図を明かしてくる。 つまり、誘導は"採点基準"と同義だ。 「これを書けば加点する」という採点者のメッセージだ。 しかも、誘導に従うだけで、 事実を読む前に答案の「骨格」が完成することもある。 この時点で、合格までのレールは半分敷かれたようなものだ。 ─────④「事実」を読む───── 最後に、「事実」を読む。 だが、ここにも順序がある。 ◆1周目:「ストーリー」を掴む まず、事実を一通り読んで、全体像を掴む。 「表現の自由が問題になりそうだな」 「債務不履行に基づく損害賠償請求をすることになりそうだな」 この程度でいい。 この時点で細かい事実を拾おうとするな。 まずは「何の問題か」を把握することが最優先だ。 ◆2周目以降:「フィルター」をセットして読む 1周目で全体像が見えたら、 2周目からは「要件ごとのフィルター」を通して読む。 2周目は要件A、3周目は要件B、4周目は要件C── それぞれの定義・規範を想起しながら、関連する事実を探す。 こうすると、拾うべき事実が光って見える。 網を持たずに海に飛び込んでも、何も捕まえられない。 だが、「要件」という網を持って事実の海をさらえば、 待っているのは「大漁」だ。 ─────まとめ───── 「何を書いたらいいのかわからない。知識不足だ」 「また途中答案だ。自分はなんて処理速度が遅いんだ」 本当に知識不足ならインプットからやり直すべきだし、 本当に処理速度が遅いならアウトプットの訓練を積むべきだろう。 だが、他にも疑うべきところはある。 どんな試験であっても、出発点は「問題文」だ。 問題文を正しい順序で読む。 それだけで、合格は近づく。 ※その他のコラムはこちら。 https://t.co/DMGyFDfPCN
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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6 months ago
【"極端思考"のすゝめ】 司法試験・予備試験の勉強を続けていると、 だんだん「よくわからなくなる」瞬間が増えてくる。 「結局、どっちとも言える気がする」 「判断が揺れる」 「何が正解なのかわからない」 それもそのはずだ。 あなたが勉強しているものの大半は、"グレーゾーン"だからだ。 ───── 我々が勉強しているものの正体 ───── 司法試験・予備試験の勉強で扱うのは、 どれも「簡単には答えが出ない問題」ばかりだ。 例えば、最高裁判例。 それは、地裁でも高裁でも決着がつかず、 場合によっては地裁と高裁で判断が分かれた末に、 ようやく最高裁まで上がってきたものだ。 つまり、裁判官ですら意見が割れるような、 「どちらとも言える」難しい事例なのだ。 学説においても、学者ごとに言うことが全く違うことがある。 法律の研究を生業としている「専門家」ですら意見が一致しない。 そんなものばかりを毎日凝視していれば、 感覚が麻痺するのは当たり前だ。 ─────まず「極端」を考えろ───── では、どうすればいいのか。 答えは単純だ。 ──まず「極端な事例」を想起しろ。 具体例で考えよう。 ◆適正手続保障(憲法31条)の内容 憲法31条は、「何人も、法律の定める手続によらなければ……刑罰を科せられない」と規定している。 では、「手続」を「法律」で「定め」さえすれば、それで足りるのか? 「刑事訴訟法第1条。全て総理大臣が決める。以上」 こんな法律を作ればいいのか? ──ダメに決まっている。 なら、憲法31条の保障内容には、単なる「手続の法定」だけでなく、「内容の適正」まで含まれると考えるべきだ。 では、手続法だけちゃんとしていればいいのか? 「刑法第1条。総理大臣の気に入らない奴は全員死刑。以上」 実体法はこれでもいいのか? ──これもダメに決まっている。 なら、憲法31条の保障内容には、「手続の法定と適正」だけでなく、「実体の法定と適正」も含まれていると考えるべきだ。 (なお、「実体の法定と適正」は憲法13条から導く見解もあるが、ここではそれは置いておく。) こう極端に考えれば、適正手続保障の内容という論点が、丸暗記ではなく、「当たり前の理屈」として腹落ちするはずだ。 ───── まず「白」と「黒」の両極端を置け ───── 多くの受験生は、思考の座標軸を持たずに、 いきなり海図のない海で現在地を探そうとする。 だから迷う。 迷ったら、思考の解像度をあえて下げろ。 誰がどう見ても「黒」な事例は何か。 誰がどう見ても「白」な事例は何か。 この両極を押さえたうえで、 目の前の事例が「黒寄りのグレー」なのか、 「白寄りのグレー」なのかを判断する。 自分の立ち位置が、陸に近いのか、沖に近いのか。 それを測るだけで、迷いは格段に減るはずだ。 ───── まとめ ───── 法律は、グラデーションだ。 そのグラデーションを見るには、 まず両端を知らなければならない。 軸がないと、 全部が同じ濃さのグレーに見えてしまう。 軸があれば、 グレーの中でも濃淡づけができる。 これは技術だ。 才能ではない。 ※その他のコラムはこちら。 https://t.co/DMGyFDfPCN
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渡辺悠人(司法試験講師/みつば法務道場主宰/弁護士)
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6 months ago
【"完璧を目指す必要はない"は本当か?】 司法試験・予備試験の勉強法として、 必ず耳にするアドバイスがある。 「完璧を目指す必要はない」 「むしろ完璧主義は悪だ」 耳障りの良い言葉だ。 プレッシャーから解放され、なんとなく受かりそうな気分になる。 だが、あえて言わせてもらう。 ──これは、半分正しくて、半分間違っている。 その「間違い」の部分に気づかない限り、 あなたはその他大勢の受験生の中に埋もれることになる。 ───── 「5~6割で受かる」の真実 ───── 確かに、この試験の合格最低点は、予備試験で5割程度、司法試験で6割程度と言われる。 したがって、満点を取る必要はない。 だが、ここで勘違いしてはいけない。 「5~6割で受かる」からといって、 「学習深度も5~6割でいい」ということにはならない。 なぜなら、この試験は"相対評価"の試験であり、 しかも真面目な受験生であれば、"基礎・基本"は「ある程度」できているのが現実だからだ。 頻出の定義、典型論点の論証、重要判例の規範── これらは、受験生の大半が押さえている。 その中で、あなたも同じように「ある程度」で満足していたらどうなるか。 ──差がつかない。 差がつかないということは、 合格ラインに届かないということだ。 ───── 基礎・基本こそ「完璧」を目指せ ───── では、どこで差をつけるのか。 答えは明確だ。 ──「基礎・基本の上積み」だ。 多くの受験生が書ける内容は、当然書ける。 そのうえで、さらに上積みを狙う。 ・判例の規範を1文字でも正確に再現する ・別の観点からの理由付けも追加する ・あてはめで拾う事実を1つでも増やす ・反対説にも言及する この「もう一段」が、合否を分ける。 ───── 応用・現場思考は「基礎・基本」の先にある ───── 「いやいや、応用問題・現場思考問題で差をつければいじゃないか」 そう思った人もいるだろう。 だが、誤解しないでほしい。 応用問題・現場思考問題とは、 "基礎・基本を「応用」して「現場」で「思考」するもの"だ。 ひらめき力を試すテストではない。 重箱の隅をつつくような知識を要求するものでもない。 ここで求められるのは、 「基礎・基本を未知の事案にスライドさせて使いこなす力」だ。 基礎・基本が盤石でなければ、 応用も現場思考もできない。 逆に、基礎・基本が盤石なら、 未知の問題でも「既知の知識」を組み合わせて対処できる。 ───── 基礎で満点を狙い、応用でミスを補う ───── したがって、正しい戦略はこうだ。 ──基礎・基本は、完璧(に限りなく近いところ)を目指す。 (もちろん、「受験生レベルで」という意味であり、「学者レベルで」という意味ではない) 実際問題、これだけでまず受かる。 だが、我々は人間だ。 極限の緊張状態にある本番では、どんなに完璧に準備しても、必ず失敗する。 ケアレスミス、ド忘れ、読み落とし── では、どうするか。 これも簡単だ。 ──取りこぼした部分を、応用・現場思考でカバーする。 基礎で50点を取り、応用で10点を積む── これが、合格への確かな戦略だ。 逆に、基礎で20点しか取れず、応用で40点を狙う── それは戦略などではなく、ただの博打だ。 ───── まとめ───── 基礎・基本が曖昧なら、 一体どこで点数を取ればいいのか? 基礎・基本ができていなければ、基礎・基本で点数は望めない それどころか、応用もできず、現場思考の出発点すら定まらない。 結局、基礎・基本こそが、 得点の「核」なのだ。 基礎・基本が曖昧なままで、 一発逆転が起こることはない。 これは、添削現場で8000通以上の答案を見てきた経験から言える事実だ。 ※その他のコラムはこちら。 https://t.co/DMGyFDfPCN
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