紙VSタブレットーどちらで読んだ方が定着率が高いのか
①紙での読解は、デジタル機器よりも内容の理解度が明らかに高い。
②制限時間がある状況や論理的な説明文を読む際、紙の優位性はさらに広がる。
③デジタル機器に慣れた世代でも紙の方が理解しやすく、その傾向は年々強まっている。
【補足】
①デジタル機器を使えば使うほど浅い処理をする癖がつき、それが読解の質を低下させる。これは「浅い処理仮説/Shallowing Hypothesis」として知られている。どうも、日常的にデジタルの機能(通知やショート動画の視聴にともなう集中力の切り替え)に触れていると、情報を深く考えずに処理するようになる。その癖がタブレットで読書をするときに発動するようだ。
②時間制限があると効率的な読解をしようとするため浅い処理が誘発されやすく、論理的な文章は物語文よりも負荷が高い(集中しないと難しい!)ため紙媒体でじっくりと呼んだ方が理解度が高まる。繰り返すが、デジタル機器自体が浅い情報処理を誘発しやすく、そこに上記の条件が追加されるとさらに浅い読解になる。
③小学生、中高生、大学生、そして専門職に至るまで、どの教育レベルや年齢層においても、紙媒体のほうがデジタルよりも一貫して読解スコアが高いことが明らかになった。以前はデジタル機器に不慣れだから紙での読書のほうが優位になると考えられていたが、2000年から2017年にかけて年々紙の優位性が高まっていることから反証されている。
ちなみに、デジタルでの浅い処理を緩和させるためには読解させたあとにキーワードを書かせる、要約させる。思い出させるなどの学習方略がある。それらを追加で実施すれば「スクリーン劣等性/Screen inferiority」がいくらか緩和される。
被引用:1481
レベル:★★★★★
(メタ分析、54研究、N=171055)
【出典】
Delgado, P., Vargas, C., Ackerman, R., & Salmerón, L. (2018). Don't throw away your printed books: A meta-analysis on the effects of reading media on reading comprehension. Educational Research Review, 25, 23-38.