カナダで移民権(PR)を承認された際に、移民局(IRCC)が発行するConfirmation of PR(CoPR)のことをごご存知でしょうか。昨年から、IRCCのオフィサーがこの書類に記載する情報を誤るという事例が多発しています。特に出生地に関する情報です。
ご存知の通り、日本人は戸籍を保持しています。本籍と出生地が必ずしも同一でないことは日本人であれば周知の事実ですが、そのことを全く知らないIRCCのオフィサーは、CoPRを発行する際に申請者の日本のパスポートに記載されている本籍地を「Place of Birth」と記載し発行してしまう、というケースが何件も発生しています。そしてこのようなことが起きた場合、Nova Scotia州にあるIRCCオフィスに、「日本における本籍地と、出生地の違い」について説明をした上で「CoPR修正願」というものを別途提出しなければなりません。更に実際CoPRが修正されるまで数ヶ月待機しなければならず、大変面倒なプロセスになります。
PRカードには出生地は記載されないので無事発行されるため、旅行などには行けますが、CoPRはPRステータスを証明する大切な書類ですので、たとえ出席地のみの誤りであっても修正をすることが良策と言えます。政府のミスとはいえ、とても面倒な手続きと言えます。
カナダでは2024年に様々な移民・ビザ申請に関するルールの改訂がありました。Study Permitの発行上限数が取り決められ、LMIA申請条件の厳格化、Post-Graduation Work Permit申請条件を大幅に変更するなど、留学生にとっては大変厳しい状況となりました。その結果、2024年中にカナダ政府に対して、20,245人の留学生が難民申請するという事態が発生しました。2025年はさらにその数を上回るペースで進んでおり、第1四半期だけで5,500人(前年同期比22%増)の申請が記録されています。
留学生がカナダの大学やCollege卒業後に、引き続き合法的に滞在する手段として難民申請を選ぶ要因は、カナダ移民権(PR)取得の道のりが制限されていること、難民申請の審査の遅延、そしてビザ発給数の削減などが挙げられると言われています。難民申請が最も多かったのは、Conestoga College、Niagara College、Seneca College、Ellis College、Université du Québec à Chicoutimiに留学している生徒とのこです。これらの教育機関は、生徒が難民申請を行ったことを把握するすべが無いため、生徒がどのような意図で申請したかを知る由が無いということです。
これらすべての難民申請が戦略的なものであるとの保証はありませんが、中には「ウクライナからカナダに留学生として6年前に来た生徒が、現在の母国の状況を理由に難民申請をする場合」など、正当な理由に基づく難民申請も存在すると言われています。
いずれにしても、今現在、カナダの難民審査機関は28万件以上の審査待ち案件を抱えており、制度の逼迫が懸念されています。