【指導者向け(一般学習者は読まない方がいいかも):仮定法過去】
以下の解説は英語指導者向けなので、「法」という概念や、直説法と仮定法について十分な理解がまだない学習途上の人は読まないでください。(今の文法理解を疎外する恐れすらあります)
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仮定法過去で、述語動詞が「過去形」を取ることについて、よく見かける説明が
「過去形にすることで、心理的距離感を感じさせ、それが<現実ではない>印象になっている」
というものです。それで「なるほど」と学習者が感じれば、それ以上踏み込む必要はないのですが、指導者側としては「本当はそうじゃないのだけど、話が難しくなるから、この『方便』で勘弁してもらおう」と心の中で思っている必要があります。この説明の仕方は「現代の認知言語学的な解釈(=後付けの理屈)」としては有用と言えるのですが、厳密に英語の歴史と照らし合わせると不正確なところがあります。
1,仮定法には「時制」がない
時制というのは、「現実の事実を描写する」からこそ「(今から見て)いつ」という情報が必要になり、それが述語となる動詞に「過去形」という語形変化に反映されたもののことを指します。ということは「過去形が使われる」といってしまうと「時制的な過去を表している」という意味にどうしてもなってしまいます。細かいことを言いますと、仮定法過去の述語動詞は「過去形と同形」と言うべきところなのです。そのあたりに be動詞だけが「単なる過去形(was/were)ではなく、wereだけが仮定法過去の形である」理由も存在します。
2,仮定法過去は、「時制的過去形」の使い回しではなかった
これは「過去形」と「仮定法過去を表す変化形」が「融合」したというのが実際のところでして、多くの動詞では、「完全融合」の結果、仮定法過去の述語動詞は、時制的過去を表す過去形と「完全一致」してしまいました。しかし be動詞だけは「wereのみ」が仮定法過去の為の語形であったため、was/wereの融合をしない結果となりました。
3,動詞の活用には「時制を表すため」以外にもあった
現代英語では、多くの動詞で「直説法過去」と「接続法過去」」の形が偶然一致してしまったため、「過去形を使っている」と説明されがちです。しかし、より正確にいうと「直説法過去と<同形>」を用いるということになります。be動詞だけは「接続法過去のwere」という語形変化がそのまま伝わり「時制的過去を表すwas」は仮定法とは別の存在とされたわけです。
もしも「現実の時間とのずれ」のために過去形になったとしたら
(1) I wish I <were> a bird.
(2) I wished I <were> a bird.
の(2)は「現実の過去よりさらに過去」として過去完了になっていなければならないところですが、I wished I had been a bird. は「あのとき願った+あのとき以前に鳥だったら」というふうに「願った」という現実の過去よりさらにずれているときに用いられるものです。
つまり「過去形を使っている」のではなく、「非現実を表す専用の活用形を使っている」というのが、厳密な表現となります。言い換えると「過去形を使っている」のではなく、「過去形と同じユニフォームを着た別人が混ざっている」とも言えます。
勉強になります(地下鉄内で)
「冷房を弱めに」とか、訳しづらい!
25年程前、旧NOVAでネイティブ講師と口論になったな
私
It's hot! Let's turn up the air conditioner.
講師
That's wrong. You must say "turn down",
because you want to lower temperature.
今でも私が正しかったと思う