<指名検索広告は「オンラインの棚取り業務」>
この記事、たくさんの反響をいただいた。
興味深いのは「止めたらCVが減った」ケースが大半ということ。記事ではCVが23%減少したし、Xで40%減の声もあった。
指名検索をするほど意欲の高い人であっても、検索結果の見え方が変われば一定数が競合に流れる。
この「奪われる」感覚は、検索結果を「オンラインの棚」として捉えると自然と理解できそう。
<検索広告はフィジカルアベイラビリティである>
検索広告を「広告」として捉えると、能動的な人にわざわざ広告なんて出す必要はないよね、という視点になりがち。
でもフィジカルアベイラビリティ、つまり「オンライン上の棚」として捉えると、「基本的には出すもの」と受け入れられる気がする。
バイロン・シャープ教授もXで、
> "Search advertising (much of what is called digital) is not advertising at all, it is physical availability." (検索広告は広告ではない。フィジカルアベイラビリティそのもの)https://t.co/Fk1rSUtG78
と言っていて、検索広告、とりわけ指名検索広告はフィジカルアベイラビリティそのもの。
「わざわざ指名で検索してくれているのだから、広告がなくてもオーガニックで来てくれるはず」というのは、
「うちの商品を買いに来てくれたのだから、手に取りやすい位置に魅力的な競合商品があっても無視してくれるはず」と言っているのと同じようなことかも。
現実の小売では、目当ての商品が見つけづらければ諦めてしまうし、隣にいい商品が並んでいればそっちを手に取ってしまう。検索結果でも同じことが普通に起きるということ。
<棚のコンディションは変わり続ける>
あと、棚のコンディションは一定ではない。
競合がいつ入札を始めたり強めたりするかは分からないし、繁忙期と閑散期では検索結果の様相も変わる。他社のP-MAXが意図せず指名ワードを買い付けてきたりもする。
ある時点で「増分が小さいから広告は不要」でも、半年後に同じとは限らないという難しさがある。
<指名検索広告は継続して運用される「オンラインの棚取り業務」>
リアル店舗で棚の確保が一度きりのものではなく、日々の業務として行われるように、オンラインの棚も継続的にコンディションを見ながら運用していくものなのだろうと思います。
あと、検索広告にはリンクオプションで棚にPOPを付けるような効果も持たせられる。料金ページ、導入事例、キャンペーン情報といった導線を増やし、棚の競争力そのものを高められる。
「増分が小さいから止めよう」でも「CPAが安いから続けよう」でもなく、「自社のオンラインの商品棚をどう設計するか」というのが、指名検索広告の運用だなと思います。